玉狛第二の逃走訓練�� ページ14
雨取捕獲の報告を受け、三雲はあの二人の実力を改めて実感した。次に狙われるのは自分だろうと路地裏から逃げやすい様に周りに注意を払いながら移動を開始する。
すると直ぐに、後ろで足音が聞こえ始める。
三雲の予想通り、狙われたのは三雲だった様だ。それが偶然なのか、狙って居たのかは定かではないが結果的に今追われていることには違いは無い。
〈オサム、追われてる？〉
「ああ、二人とも居る」
無線を介して三雲に話しかけてきたのは空閑であった。どうやらレーダーで移動が顕著な三雲を見て追われていることを悟ったようだ。
〈助けにいくか？〉
空閑の言葉に、三雲は逃げながら悩む。逃げる事が目的の今、態々居場所の割れていない空閑の姿を晒していいものなのか。
〈逃げてるだけじゃダメじゃないか？結局オージ隊とも闘わなくちゃならないわけだし〉
「...よし、空閑。頼む」
〈りょーかい〉
三雲は空閑に指示を出すと、空閑の合流まで何とか逃げ切るための作戦を考え始めた。
･
三雲の後ろを走る澤隊はジリジリとその距離を詰めていた。しかし、先程から角を使い二人を巻こうとする三雲に澤は「逃げ方は悪くない」と呟いた。
しかし、三雲の運動能力ははっきり言って劣等。
そしてそれを追うのはボーダーきっての瞬足。その気になれば仕留められる距離だ。
「朝香、捕まえてこい」
『了解』
澤の指示に、朝香は走るスピードを上げた。確かに澤も足は速いが、朝香は別格だ。トリオン体での走る速さは、世界記録など余裕で上回る。
そして一気に迫った三雲の背中に手を伸ばす...が
『っ...そう出てくるわけね』
「逃げてばっかりじゃ練習にならないからな」
朝香の前に立ちはだかったのは、空閑だった。
そして、朝香は追いついた澤の所まで下がる。その右手からはトリオンが漏れており、肘から先が無くなっていた。
「ほぉ、一回目からやる気じゃん」
『...ちょっと、侮ってましたね。彼等の向上心を』
ここで初めて、澤隊と玉狛第二が対峙する。
そして、逃げる姿勢どころか戦闘態勢に入った玉狛第二を見て澤は高らかに笑った。
「段階踏んで行こうと思ったけど...そうだよな、お前らには時間が無かったな」
そう言うと、先程のにこやかな表情から一変。
戦闘をする時の顔付きへと変わる。
「飛び級制度適応で。行けるか朝香」
『問題ないです』
澤の言葉を合図に澤は両手に、朝香は左手にスコーピオンを起動する。
空気が、変わる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 290人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ワールドトリガー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にこ(プロフ) - この度はこんなにも素晴らしい作品を作成してくださりありがとうございます（ ; ; ）出会えたことにとても感謝しております！他の作品も楽しみにしております！完結までお疲れ様でした＾＾ (2022年1月31日 0時) (
レス) @page32 id: 122cc99496 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - 綺世さん» 楽しみにしてます！(*´꒳`*) (2021年11月2日 16時) (レス) id: 60475fc3e4 (このIDを非表示/違反報告)
綺世(プロフ) - そるとさん» 最後まで読んでいただきありがとうございました！また作品を出した際にはよろしくお願いいたします。 (2021年11月2日 11時) (レス) id: d271d60620 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - ワールドトリガーで一番好きな作品だったので完結したのがとても嬉しい反面寂しい気がします、次作も楽しみにしてます！ (2021年11月2日 7時) (レス) @page32 id: 60475fc3e4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：綺世 | 作成日時：2021年8月11日 3時
