一生は束の間 (ページ1)

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Aside

私達の一生は束の間だ、その束の間の間に君に出会って恋をした
あなたの命はあと１年です、そう漫画のようなことがこの世にあるだろうか

そう思いながら生きてきた、私は真っ当な仕事をして普通に結婚して子供産んで
そうやって生きていくんだろうなって思ってた

会社で受けた健康診断には再検査の文字、再検査をしてみるとなんの異常もなかった
ただ、動悸や息苦しさが止まらない日が続いて心配になった私は国立病院で検査をした

先生「拡張型心筋症ですね、延命治療を望まなければ生存率は１年後で38.0％です」

あ「そうですか、延命治療は絶対望みません」

そうまでして生きたいとは思わなかった、誰か大切な人がいるわけじゃない
悲しませるような相手もいない、母親も父親も亡くなっている

あ「もしもし、真菜？」

真菜『そだけど、どした？』

私の幼馴染、桑田真菜

あ「っ、なんでもない」

優しい彼女の声に声が震える、それでも彼女は優しく受け止めてくれる

真菜『なんかあったらいつでも言ってね』

あ「ありがとっ」

余命宣告を受けたときは冷静だったのに
彼女の声を聞いたら涙が止まらなかった

？「おねーさん？なに泣いてんの？」

あ「ごめんなさい、なんでもないです」

声をかけられて顔を上げるとイケメンなお兄さん

樹「俺樹、SixTONES田中樹、おねーさんは？」

あ「桜庭Aです」

樹「Aちゃん、ね、俺のことは樹くんでいいから」

ここだとあれだし家行こうか、と私の手首を掴んだ樹くん
不思議と抵抗ができなくて樹くんについていくのに必死だった

なぜだろうか、彼が私のように悲しげでなにかを諦めたような目でなにかを訴えていた