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6話目 ページ6

「グスッ……ごめんね、妖精さん、」


乱ちゃんはそう言いながら目をこする
大丈夫、という意味を込めて頭を横にふる

もし、私が大きかったら、
目、こすっちゃダメだよ って、
布でぬぐったりしたのだろうか
そう思うと、小さくて、
手入れしか出来ない
私が惨めに見えた


「おっと、おふたりさん、もう大丈夫か?」


二人揃ってこくんと頷く
薬研は、私達が泣いてる時に
乱ちゃんの背をなでて
落ち着かせてくれていたのだ
やっぱり、ニキはニキだなぁ、と思った

そして私は気を取り直して
乱ちゃんの方を向き
手入れをさせてくれと、ジェスチャーをする


「うん!!」


乱ちゃんは目元は赤いが
とびっきりの笑顔で返事して刀を渡してくれた
私はそれを傷つけないように、と
ゆっくり畳に置く

私は手入れ道具をつかい、
打粉でポンポンと、手入れする

その途中少しの紫色のモヤが出て来る
このモヤが私の頭近くに来るとある映像が頭の中に流れる
それは、乱ちゃんの視点から見た
厚、秋田、前田、平野、が、目の前で折られた映像だった

やめて、やめて……!

乱ちゃんの心境と重なるように
映像をこれ以上見たくない
私の心の声が重なる

目をしっかり閉じ頭を左右にふると
映像は止んだ


「大丈夫?」


少し傷がなくなった乱ちゃんが聞いてくる
少し、冷や汗が出て顔が青くなっていたようだった
私は大丈夫の意味を込めて微笑んだ
乱ちゃんはそれを見て安心したように
微笑んでまた元の体制に戻る

けど、やはり、あの映像が止んだといっても
見ていた映像はやはり覚えてる
その記憶に1番残っていたのがある


折れた厚や、秋田、などを上から見下ろして
高笑いしている


私の親友の顔だった


私は手に力が入る
だが、乱ちゃんの手入れを続ける
そして、乱ちゃんの刀は元の形に綺麗に戻った
もう1回見直してみると綺麗な乱刃だった

もう少し見ていたいが、乱ちゃんに返す
その時の乱ちゃんは
髪はいたんでおらず
少し黒ずんでいた青の目も澄んだ青に戻っていた

その姿に私は目を奪われた
乱ちゃんは


「そんなに見つめられたら恥ずかしいよ……!」


と、ヘニャリとしえへへと笑う
とても可愛くて意識がどこかに飛びそうになる
その意識を頑張って戻して
ニコッと笑い薬研の方へ行き
刀を貸してください!
とジェスチャーで両手を前に出す
薬研は少し困り顔をし


「じゃあ、俺っちのも頼むぜ、」


私の手に刀をのせてくれた

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溜め息(´ ▽`).。(プロフ) - ああ!待ってました!これからも頑張ってください!なんでリア友なのに敬語なんですかね! (2018年8月19日 23時) (レス) id: 3ed5909315 (このIDを非表示/違反報告)
溜め息(´ ▽`).。(プロフ) - 新作など頑張ってください!(^q^) (2017年9月30日 19時) (レス) id: 3ed5909315 (このIDを非表示/違反報告)
溜め息(´ ▽`).。(プロフ) - お久しぶりですこれからも頑張ってくだせぇ(^q^) (2017年9月29日 17時) (レス) id: 3ed5909315 (このIDを非表示/違反報告)
溜め息(´ ▽`).。(プロフ) - ファイトー!ヾ(  ̄0)乂(0 ̄ )/イッパーツ! (2017年8月5日 1時) (レス) id: 3ed5909315 (このIDを非表示/違反報告)
月の宝石(プロフ) - 溜め息(´ ▽`).。さん» お久しぶりですねぇ!!頑張りますよ!!最新遅いけど!! (2017年8月5日 1時) (レス) id: 60630009e0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月の宝石 | 作成日時:2017年6月2日 15時

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