どうも"ナガノディビジョン"です＿part2

六十七話…？ ページ21

『もしもし、お電話代わりまして山桜です。
凍籠咲の言った事は気にしないでください

いくらなんでも職務放棄はやばいですし…

空いたお時間にお客さんとして遊びにきてくださいね』


そこまで言ったものの、少しぐすっと鼻をすする音が聞こえた

…泣いてんじゃん

「山桜さん…すみません…でもやらないと結露さんに嫌われてしまいます…」


『いやいやいや
凍籠咲そんな事じゃ嫌いにならないですし…』



だいぶ落ち込んでいるようで
ネガティブな事ばかりをポツリポツリと呟いている

「…私、結露さんのことが好きなんです」



急な告白に思わずギョッとする

隣には聞こえていたかのか明らかに
嫌そうな顔をする凍籠咲の顔が伺えた

「だからこれ以上嫌われたくないんです…」


『そ、そうなんだ…僕は好きとかよく分からないけど
凍籠咲のことがそんなに大切なんだね』

「そうです！なのに私は緊張して失敗ばかり…」

『…お休みいつですか？』


こうやって聞くのは悪いことだとは思っている
けれどこんな溢れんばかりの愛を捨てようとしている彼女を見捨てることができなかった



「え、えと…明日から一週間の午前以外でしたら…」

『それでは少し貴方の時間、僕にください』


凍「ブッ」


その後予定をお伝えして電話を交代した
何故凍籠咲が吹き出したのかは分からない


凍「…おい、なんだ時間くださいって言い方」

『え、何か変だったかな』


そう言うと額にデコピンされて思わず痛がると
僕の様子を見て鼻で笑った

「まぁお前っぽいわ」と呟いてその日は終わる







…そしてマネージャーさんが訪れる




「よ、よろしくお願いします…っ」

『よろしくお願いします。お料理とかできますか？』

「簡単なものであれば自炊してますので」



よし…カフェエリア担当にしよう
その間僕は花屋エリアの方を担当して…

『このレシピ通りに作っていただければ大丈夫です』


そう言って事前に作ってあった自作のレシピ本を渡し
掃除を始めた

オドオドしながら僕の手伝いをする




…あ、そう言えば名前知らないな



『えと、失礼。お名前なんでしたっけ』


「薫子です。斎藤 薫子」




斎藤さん…が凍籠咲のことを…




うーん、応援したい気持ちはあるけど
凍籠咲はあの事がきっかけで恋人なんて作らないし
そもそも女性が苦手だからなぁ

…だとしたらなんで僕は大丈夫なんだろうか

昔から一緒にいるからかな？

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