どうも"ナガノディビジョン"です＿part2

五十九話…？ ページ13

「あらぁ、バイトの子？」

『暫くお手伝いしてくれる子で良い子なんですよ』



その日は仕事を手伝ってくれる事になり、
主に裏でカフェの料理を作ってくれている

人前で話すとなると変なモードに入ってしまうのだ

本人はかっこいいと思っているのだろうけれど…
僕には分からない世界だ


でも料理は丁寧で上手
もしかしたら僕より才能あるかもしれない


てか18歳って聞いたんだけど
学校とかどうなってるのかな…
よく分からない時期だから就職してたら悪いし
学校通ってても悪いし…


てかこれって誘拐にならないよね？
大丈夫だよね、僕…？




妙にソワソワしつつ仕事をこなしていく


今日も嬉しい事に人が多い
まだアレ続いてるのかな…SNS凄いな

四「Aさん！」

『ん？どうかした？』

四「どうして俺によくしてくれるの？」



…今聞く事か？


少し戸惑ったがすぐに冷静を取り戻して
出来るだけ優しく微笑みかける


『困った人がいるのであればそれを助けるのが
大人の役目、ですから』

四「そうなんだ…Aさんは優しいんだね」


そう呟いた表情はどこか悲しげで
深く聞いてはいけないのだと思わせる何かがあった


『優しいかどうかはさておき、休憩してて良いよ
僕は接客をしてるから』

四「うん、分かった」


裏の方に戻っていった姿を確認してから
再び接客を始めてやや数時間

そろそろ閉めようかと思っていると外から声が聞こえてきた。…そろそろお迎えかな？


裏に行くとソファに座り少し眠たげにかくんかくんと
頭を下げつつもハッとして顔を上げる十四くんがいた

近くにあった壁をトントンと叩くと
こちらを向いてふにゃっと笑う

『十四くん、ちょっと良いかな』

眠いところ申し訳ないが連れて行き
外に出る扉を開けると入り口で昨晩連絡をした
男性と思われる人が二人居た


一人はスーツ、もう一人は…なんだか住職のような
服の人だ

『知り合いかな？』

四「うん！空却くん、獄さん！」

二人のもとに駆け出していく姿を見て
ふと何かを思ったが思い出さなかった事にした

獄「本当に申し訳ない」

『いいえ、一緒にいて楽しかったです。
忘れ物はないかな？』

四「うん…ねぇ、Aさん…また来ても良い…？」


オドオドとしながらそう呟いた十四くんにニンマリとした笑顔を見せて「良いよ、いつでもおいで」と言うと嬉しそうに「ありがとう！」と言った



長野県にいたのはどうやら用事があったとかで
その時に迷子になってしまったようだ

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