スクール革命2【 鬼滅の刃 】

62話 ページ25

.







平手 side



『 ····というわけで、今からプリントを配る 』




ボーッとしたまま先生の方を見ると、先生は分厚い
紙の束片手に一番端の席の子の元へと移動した。


それを見た瞬間、私は少し慌てた。


え、何配られるの。ボーッとしてたから全く分から
ないんだけど。




前の席の子から貰った紙を見ると、

"進路について" と書かれていた。

私は疑問に思いながらも1枚紙を取って、後ろの席
の子へと渡した。





『 今から大学はどういうものなのか。
社会とは何なのかを話すぞー 』




先生はそう言ってチョークで黒板に文字を書き始め
た。


······進路、ねぇ。



そりぁ、私にだって将来の夢はあった。

フリフリの可愛いドレスを着たい、とか
ケーキ屋さんになりたい、とか。


可愛い物が大好きで異性に恋してる時期もあった。



けど、それは今の私には合っていない。

今はこのクソったれなスクールカースト制度を潰し
て、ランクとかいう意味が分からない物をぶっ壊す
事に集中しているんだ。

それで、平和になった学園でもう一度Aと
過ごす事が私の夢だ。




書き終わった先生はワイシャツの袖を捲りながら
私達に向き直った。




『 何か1つでもいい。次の空欄に自分の夢を書け 』




私は思わず先生を見るが、私の目なんかくれずに
先生は席の周りを歩き始めた。

皆は悩みながらもシャーペンを動かしてプリントに
書いていく。



将来の "夢" はない。けど別の意味での "夢" はある。



書く事は決まった。

私はシャーペンを持ってプリントに書き始めた。





.

63話→←61話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す