＊癒えないトラウマ７ ページ22
｢………へ？｣
吉良｢危ねぇから触るなよ！後で俺が捨てに行くから。｣
破片の入ったふろしきを彼は慌てて結び、端の方へ移動させた。
吉良｢どっか怪我したのか？｣
｢…ちょっと指に怪我をしただけで他には何も…。｣
吉良｢っ！…消毒はちゃんとしたのか？！｣
｢み、水に少しつけただけで…。｣
吉良｢ちょっと待ってろ。｣
勢いよく私の部屋から飛び出し、すぐに部屋に戻ってきた。片手にはマネージャーが使っている救急箱を持っており、私をベッドに座るように指示された。
吉良｢ほら、手貸せ、手当てしてやる。｣
｢そんな…手当てするまでもないです！こんな傷…。｣
吉良｢いいから早く。｣
｢私の事なんかより、コップが…。｣
吉良｢こんなコップどうでもいいから！手のどこを怪我したんだ？｣
｢…っ。｣
何も言わず、怪我をした方の手を伸ばし彼がそれを受け取る。
吉良｢俺がちゃんと手当てしてやるからな。｣
割れたコップことなんて見向きもせず、真っ先に私の怪我の手当てをする彼の行動に…私は、信じられなかった。
だって…だって…今までは…っ。
【役立たずが。】
なんて言われて、殴られたのに…。
何でヒロトさんは…私の怪我なんかを…。
慣れたような手つきでティッシュで優しく消毒液を拭き取り、絆創膏まで付けてくれた。
｢あの…ヒロトさん。｣
吉良｢なんだ？｣
｢その…怒らないんですか…？｣
吉良｢怒る？何にだ？｣
｢コップのこと…。｣
吉良｢あんなコップどうでもいいし、大事な彼女よりコップの方をどうこう言う奴なんていんのか？｣
茶化すようにほのめかす彼の言動に、私の頭にグサッと刺さる。それが、いるんですよね…流石に私のお父さんとは言えない…。
｢…そうなんですかね。｣
吉良｢彼女よりコップの方を心配する奴は、心の狭い馬鹿がやることだ。俺にとって、お前が何より大事で大好きな彼女だからな。｣
｢っ！？…え、いやその…っ。｣
吉良｢今度さ、一緒にデートがてらにお揃いのコップでも買いに行こうぜ。おかげで新しいコップ買うキッカケにもなったし、なによりAに大きな怪我がなかったことに俺は嬉しい他ねぇけどな。｣
そう真っ直ぐな瞳で彼は勝ち誇ったかのような笑みを向けられた。
私の中の何かが…溶けていく
目頭が…ジンと熱くなり、喉に何かが…つっかかる。声が上手く出せず胸に押しつぶされそうな甘くて切ない思いがこみ上がる。
私の目から大粒の涙がゆっくりと頬を…つたう。
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アニオタ - 初めまして、作品読ませて頂いてます。ヒロト凄い夢主ちゃんにベタ惚れですね。読んでて微笑ましいし和みます。これからもヒロトが変わらず夢主ちゃんに愛情を注いでいく様子を温かい目で見守らせてください。これからも更新頑張ってください。続きを楽しみにしてます。 (2020年8月30日 11時) (
レス) id: 4bb6e8f6df (このIDを非表示/違反報告)
ふわもこ(プロフ) - 星もなかさん» 返信遅くなって申し訳ございません…わざわざコメントして下さってありがとうございます！体調管理に気をつけて頑張っていきたいと思います(^^♪ (2020年8月28日 13時) (レス) id: 792f1a5f44 (このIDを非表示/違反報告)
陽菜 - おい…………………………………これ完全に忘れてるだろ（笑） (2020年8月28日 8時) (レス) id: 0dcd5b296d (このIDを非表示/違反報告)
星もなか(プロフ) - 初めまして、ヒロトかっこよすぎませんか？！もう惚れました！これからもお身体に気をつけて頑張ってください！応援しています！ (2020年8月19日 22時) (レス) id: 70c50fe7f0 (このIDを非表示/違反報告)
ふわもこ(プロフ) - となりの青華さん» コメントありがとうございます！とても励みになります…！今後も楽しい小説が作れるように頑張ります(^^♪ (2020年7月12日 2時) (レス) id: 792f1a5f44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふわもこ | 作成日時：2019年11月11日 23時
