深愛４４ ページ44
静寂なムードが続き、暫くすると、重ねられた唇と唇がゆっくりと離れる。
彼の温かな吐息が少しかかって、胸がどくんと弾む音がした。
吉良｢甘っ…。｣
自分の唇をぺろりと舐め、満足げで…大人びたような笑みをこちらに向けていた。
吉良さんと……キスをしてしまった。
初めての恋に、初めてのキスを…彼と。
頭の湯気がボッと爆発したような音が聞こえる。
私は両手で顔を覆い隠し、赤面した顔の熱を冷まそうとしている。
頬に手を当てると、熱が出てしまったくらい熱くて頭が少しボーとしている。
…柔らかな唇の触感と彼の甘い香りがまだ残っている。
男性恐怖症だった筈の私が、男の人とキスをする日が来るなんて……信じられなくて、頭の思考がついていけない。
吉良｢…悪かったな。ちょっと強引になっちまって。｣
｢えっ…。｣
吉良｢触れるだけって言ったのに、悪ぃ。やり過ぎた。｣
口元に手を当て、少し気まずそうにそっぽ向いていた。
彼の頬がほんのり桜色に染まっているように見える。
え……吉良さんが…照れてる…？
普段見ることのない彼の照れたような仕草に、何だか…とても心が弾むような気持ちになった。
｢……ふふっ。｣
吉良｢っ！お前っ…今。｣
｢っ！？…す、すみません…何だか今の吉良さん、 がとても可愛らしくて…。｣
嘘……私が、笑ってる…？
今までずっと表情なんて皆無の人生を歩んできたのに、私…今。
吉良｢…お前、なにが感情が出せない人だよ。笑ってるA、めっちゃ可愛いじゃねぇかよ。｣
｢吉良さんの方が可愛いですよ…。｣
先程よりもさらに赤みが増している彼が、とても微笑ましくて私は思わず、笑みが零れる。
吉良｢…何言ってんだよ。お前の方が可愛いに決まってんだろ。｣
｢…私は可愛くなんてないですよ。吉良さんの方が可愛い…。｣
言葉の続きを言おうとしたら、彼から突然キスをされ思考が固まっていると吉良さんは何かの策略にかかったような笑みを見せた。
吉良｢…あんま可愛いっていうとお前の口塞ぐぜ？｣
｢す、すみませ…。｣
話そうとすると、また彼からの甘い口付けをさせられる。
吉良｢…なぁ、もっとしようぜ？A。｣
｢い、いえ！もう充分です…っ！｣
吉良｢遠慮すんなって、可愛いだけだから。ほら顔をこっちに向けろよ。｣
次の言葉を発しようとするが、それは彼の柔らかな口付けによって塞がれた。
先程のキスより少し強引で。でもどこか優しさが感じられるような…キスだった。
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ふわもこ(プロフ) - ゆーみやンさん» コメントありがとうございます！最後までこの小説を読んで下さってありがとうございます！今後も楽しいお話が作れるように頑張ります♪誠に感謝です！(^^♪ (2019年11月12日 7時) (
レス) id: 5db886f9a4 (このIDを非表示/違反報告)
ふわもこ(プロフ) - あかりさん» 返信遅くなって申し訳ございません…！2回もコメント下さってありがとうございます！(^^♪ (2019年11月12日 6時) (レス) id: 5db886f9a4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみやン(プロフ) - 完結おめでとうございます!!! ヒロトむっちゃかっこよかったです……！ドキドキしました！！ 短編集も楽しみにしています！お疲れ様でした( *´艸｀) (2019年11月10日 22時) (レス) id: cef1a7a657 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - ヒロト頑張って (2019年10月16日 7時) (レス) id: 8cd13c0c45 (このIDを非表示/違反報告)
ふわもこ(プロフ) - あかりさん» コメントありがとうございます！素敵なお言葉が貰えてとても嬉しいです…！今後も楽しい小説が作れるように頑張ります(^^♪ (2019年10月15日 21時) (レス) id: 5db886f9a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふわもこ | 作成日時：2019年6月25日 19時
