深愛４０ ページ40
｢………ぇ。｣
触れられている彼の指先をよく見ると、透明の雫のようなものが乗っていた。
……え、何これ。
恐る恐る自分の目元に手をやると、何かが指先に乗った。
これって……なみ、だ…？
そして無意識に、涙が地面へとこぼれ落ち、私は慌てて目元を擦った。
嘘…私が泣くなんて…いつぶりなんだろうか。
涙が次々と零れていくのを見て、彼はその場でしゃがみ、何も言わず優しく私の目元に浮かんでいる雫を拭ってくれる。
こんな時でも、吉良さんは……優しかった。
涙を拭ってくれるなんて、優しさを知らない私にとっては勿体ないくらいの出来事だ。
｢ごめん、なさい…。吉良さん。でももう…大丈夫、です…。｣
自分でも分かるくらい声が震えていて、何とか涙を止めようと必死に堪えてようとした。
…そう考えていた時、私の体に何か暖かいぬくもりがふわっと包み込むように被さった。
そしてさらりと腰に彼の大きな手が回された。
私は今……吉良さんに抱きしめられている。
目元に涙を浮かばせながら、私の顔がみるみる赤に染まっていく。
｢…吉良、さん？｣
両手ごと彼の腕の中に入ってしまい、私は行き場のない両手を私の胸の前に添えた。
…体が密着しているせいか、胸の奥が煩わしいほどドキドキしていて、鼓動がいつものより数倍早く心臓が動いている。
吉良｢…出来ねぇよ。｣
｢…え？｣
吉良｢お前が好きだっていう気持ちを無かったことになんて、出来るわけねぇだろ！！｣
普段落ち着いている吉良さんが、珍しく取り乱しており、私は唖然とした思考に走る。
吉良｢それに…一目惚れだったし。お前の事。｣
｢………ぇ。｣
え、ちょっと待って…今、一目惚れって…。
一目見ただけで好きになるっていうアレ…？
吉良さんが、私の事…。
……いや、そんな事…有り得ない。
私に一目惚れなんて…絶対有り得ない。
皆から嫌われるために産まれてきたような人間が、こんなかっこいい人から一目惚れされるなんて、到底信じられない。
こんな根暗で、濁ったような目を見せないように常に下ばかり向いているような人に魅力なんて微塵もない。
こんな人間のどこにそういうのが…。
｢や、やめて下さい、こんな時に冗談言わないで…。｣
吉良｢冗談じゃねぇよ！俺は、初めて見た時からお前が好きだったんだ！！｣
｢っ！…嘘。そんなの事…！｣
吉良｢俺は、一目見た時からずっとお前の事可愛いって思ってたんだよ。俺は…お前を守りたいんだ！｣
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ふわもこ(プロフ) - ゆーみやンさん» コメントありがとうございます！最後までこの小説を読んで下さってありがとうございます！今後も楽しいお話が作れるように頑張ります♪誠に感謝です！(^^♪ (2019年11月12日 7時) (
レス) id: 5db886f9a4 (このIDを非表示/違反報告)
ふわもこ(プロフ) - あかりさん» 返信遅くなって申し訳ございません…！2回もコメント下さってありがとうございます！(^^♪ (2019年11月12日 6時) (レス) id: 5db886f9a4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみやン(プロフ) - 完結おめでとうございます!!! ヒロトむっちゃかっこよかったです……！ドキドキしました！！ 短編集も楽しみにしています！お疲れ様でした( *´艸｀) (2019年11月10日 22時) (レス) id: cef1a7a657 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - ヒロト頑張って (2019年10月16日 7時) (レス) id: 8cd13c0c45 (このIDを非表示/違反報告)
ふわもこ(プロフ) - あかりさん» コメントありがとうございます！素敵なお言葉が貰えてとても嬉しいです…！今後も楽しい小説が作れるように頑張ります(^^♪ (2019年10月15日 21時) (レス) id: 5db886f9a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふわもこ | 作成日時：2019年6月25日 19時
