深愛３９ ページ39
勢い余って、背を向けながら彼にそう言い放ってしまった。
彼は今どんな表情を浮かべているのか、何を思っているのかも、分からない。
でも、私は背を向けたまま言葉を続けた。
｢…私は、吉良さんみたいに特別な人じゃないし、かと言って普通の人でもなれない。一緒にいたら吉良さんが笑われるだけですよ…。｣
フットボールフロンティアで人気者になった吉良さんと付き合うなんて、夢のような贅沢を味わっていい筈がない。
｢こんな人間と付き合いたい人なんていないですよ普通…。みんなと違って私は楽しそうに笑えないし、感情が出させない人なんて、一緒に居たくないですよね…？｣
昔…両親にこんな事を言われて、私は深く傷ついた出来事がある。
『人に迷惑かけることしか出来ない役立たず。』
小さい頃、お父さんに暴力を振るわれた際に、両親にそう冷たく私に言葉を放った。
その言葉は、憎悪が蓄積されたナイフを深く刺したかのように私の心が、壊れた。
あの日から、私は喜怒哀楽というものを失った。
何も感じず、涙も出さない。そんな人間に育っていった。
……私は誰かに愛されたかった。
週一でも一ヶ月に一度でも良い、誰か私に優しい言葉をかけて欲しかった。
それだけで良いんだ。何も特別な事はしなくて良いから…。
しかし月日が経っても、両親は私の事を愛してくれなかった。それどころかどんどん私を遠のくように家を出ていってしまう。
それで私は、両親に褒められたくて勉強やスポーツを、必死に取り組んだ。
そうだ…良い成績を残せば、両親は私の事を見てくれるかもしれない。そう思った私は、必死に勉強した。
…しかし、それでも両親は冷たく私を突き放され私を置いて、どこかへ行ってしまった。
それどころか、私にこう言い放った。
『何をやっても無駄なだけだ。お前は人に愛されない人間なんだから。』
私は、愛されない…。
……その言葉に私の中の何かが、崩れ落ちた。
｢吉良さんは、私よりももっと良い人が居ますよ？…だからもう…無かったことにして下さい。｣
その方が、吉良さんは幸せになれる。
そうだ…それで、良い。
吉良｢…じゃあよ。｣
暫く口を開かなかった彼が言葉を発し、ズザッと土を蹴る音がした。
こちらへ歩み寄り、そしてゆっくり私の正面に移動し始めた。
何をしようとしているのかと思いきや、彼は少し中腰になり、私の頬に彼の長い指先にそっと触れ、優しく頬に触れられる。
吉良｢なんで、泣いてんだよ。｣
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ふわもこ(プロフ) - ゆーみやンさん» コメントありがとうございます！最後までこの小説を読んで下さってありがとうございます！今後も楽しいお話が作れるように頑張ります♪誠に感謝です！(^^♪ (2019年11月12日 7時) (
レス) id: 5db886f9a4 (このIDを非表示/違反報告)
ふわもこ(プロフ) - あかりさん» 返信遅くなって申し訳ございません…！2回もコメント下さってありがとうございます！(^^♪ (2019年11月12日 6時) (レス) id: 5db886f9a4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみやン(プロフ) - 完結おめでとうございます!!! ヒロトむっちゃかっこよかったです……！ドキドキしました！！ 短編集も楽しみにしています！お疲れ様でした( *´艸｀) (2019年11月10日 22時) (レス) id: cef1a7a657 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - ヒロト頑張って (2019年10月16日 7時) (レス) id: 8cd13c0c45 (このIDを非表示/違反報告)
ふわもこ(プロフ) - あかりさん» コメントありがとうございます！素敵なお言葉が貰えてとても嬉しいです…！今後も楽しい小説が作れるように頑張ります(^^♪ (2019年10月15日 21時) (レス) id: 5db886f9a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふわもこ | 作成日時：2019年6月25日 19時
