深愛３６ ページ36
先程の顔の熱を何とか覚まし、吉良さんの後をついて行くと、その先には森が見え漆黒のような山道がありそこから先は暗闇に包まれていて何も見えない。
気がつけば空はもう既に夜に変わっていた。
吉良｢この先暗いからここから先、手繋ぐぞ。｣
と、私の手を取り、吉良さんはポケットからスマホを出し何かを操作し始め、スマホの左上に眩しいくらいのライトを照らし始めた。
吉良｢俺から離れるなよ。A。｣
私の方へ振り向き、私の存在を確認するかのように彼の大きな手が強く握り始めた。
私には少し痛いくらいだったが、彼の自信満々な笑みに心の中で安堵した自分がいた。
吉良さんの持っているライトで道を照らし始めながら、漆黒の山道に足を運んだ。
吉良さんに手を握られると…何だか凄く安心してしまう。
男性恐怖症だった筈なのに、彼から手を握られることに私は離そうとしなかった。
何でだろうか…？
▼
彼のスマホのライトを頼りに、静かな山道を進む。
森の中は今、私たちの足音だけが聞こえる。
夜の森ってこんなにも暗かったんだ…。
ほんとに周りには木のシルエットと草むらくらいしか見えなくて、ほんの少しだけ恐怖を覚えていた。
何せ森の中だ。もし狼とか熊とか出てきたら…なんて考えてしまう。
一方の吉良さんは、怖じける様子もなく慣れているかのような表情が狭間見える。
でも、こんな暗闇に包まれた森の中で一体何をするつもりなんだろう…？
彼の考えていることがさっぱり分からない。
吉良｢大丈夫か？｣
｢えっ？｣
暫く無言だった吉良さんが口を開いた。
そこで私は、思い切って彼に質問を投げた。
｢あの…吉良さんはこれから何をするつもりなんですか…？｣
私の質問に、少し迷っているような素振りを見せ数秒後、彼は口を動かした。
吉良｢さぁ…？何だろうな？｣
今の質問を誤魔化すように軽く流された。
｢何か怖い事とか、しないですよね…？｣
不安げに放った今の言葉に反応し、彼の目に私を映した。
吉良｢こんな森の中で危ねぇ事なんてしねぇよ。流石にそんな事はしねぇよ。｣
はっきりとした口調で言い放った彼の言葉を聞き、少しだけ安心した。
ただその言葉の裏に何か隠している、それだけは確信した。
でもほんとにこれから何をするつもりなんだろう…？
吉良｢とりあえず、目的地に着いたら教えてやるよ。｣
そうはっきり言い残し、彼は前方の方へ戻した。
一体私は、何処へ連れて行かれるのだろうか…？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 144人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「イナズマイレブン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふわもこ(プロフ) - ゆーみやンさん» コメントありがとうございます！最後までこの小説を読んで下さってありがとうございます！今後も楽しいお話が作れるように頑張ります♪誠に感謝です！(^^♪ (2019年11月12日 7時) (
レス) id: 5db886f9a4 (このIDを非表示/違反報告)
ふわもこ(プロフ) - あかりさん» 返信遅くなって申し訳ございません…！2回もコメント下さってありがとうございます！(^^♪ (2019年11月12日 6時) (レス) id: 5db886f9a4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみやン(プロフ) - 完結おめでとうございます!!! ヒロトむっちゃかっこよかったです……！ドキドキしました！！ 短編集も楽しみにしています！お疲れ様でした( *´艸｀) (2019年11月10日 22時) (レス) id: cef1a7a657 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - ヒロト頑張って (2019年10月16日 7時) (レス) id: 8cd13c0c45 (このIDを非表示/違反報告)
ふわもこ(プロフ) - あかりさん» コメントありがとうございます！素敵なお言葉が貰えてとても嬉しいです…！今後も楽しい小説が作れるように頑張ります(^^♪ (2019年10月15日 21時) (レス) id: 5db886f9a4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ふわもこ | 作成日時：2019年6月25日 19時
