深愛２９ ページ29
｢…も、もう。この話しをするの止めにしませんか？｣
吉良｢は？何でだよ。｣
明らか不機嫌そうな表情が浮かび、少し睨んでいるようにも見える。
何かの地雷を踏むと爆発しそうな雰囲気に少し怯えながら、言葉を続けた。
｢せっかくの休日にこんな話をしても楽しくないし、それに…
今はその…お出かけに楽しみたいと思ってまして…。｣
その言葉を聞き、不機嫌な彼の表情が徐々に薄れていった。
…今の言葉は嘘じゃない。
本当に思ったことを、彼に伝えた。
これ以上後ろ向きな事を言うと、吉良さんに怒られるような気がしたから。
吉良｢わーたよ。まぁ、確かにそうだな。今は今で楽しむか。｣
彼の晴れたような笑みに少しほっとした。
吉良｢そんじゃあ、次の場所に行くとするか。｣
彼はゆっくり席から体を起こし、テーブルから少し離れた。
私もそれに続くように、座っている席から離れた。
吉良｢金はオレが払うから安心しな。｣
｢い、いえ！私が払います！｣
吉良｢良いから。俺に払わせろ。｣
慌てて財布からお金を出したが、彼はそそくさと自分のお金を定員さんに渡した。
彼の財布をふと見ると、上品そうな茶色の長財布で重厚感が漂っている。
お金持ちの人の財布って凄いな…。
こうして、私達はカフェから出て行き、吉良さんの後を追うように再び歩き始めた。
少し歩いていると、吉良さんは突然私の前に立ち、自分と目を合わせてきた。
吉良｢なぁ、A。｣
｢は、はい…？｣
今日の吉良さん、何だかいつもと違うように見え、少し困惑してしまう。
何というか…普段はいつも余裕のある立ち振る舞いで翻弄されてばかりの彼だが、今日はその…どこか大人っぽいというか、妙に真面目な表情が多いような気がする…。
彼はその場からしゃがみ込み、そっと私の両肩に手を置いた。
吉良｢…一人で抱え込むなよ。｣
｢えっ…？｣
何を言われるのかと思いきや、予想だにしない発言だった。
｢あの…吉良さん。｣
吉良｢ひとまず今は、何も聞かないでおいてやる。その代わり、一人で絶対苦しむなよ。しんどくなったら俺に頼れよ。｣
口調はやや強めだったが、その奥に彼の優しさが滲み出ていた。
｢…ありがとうございます。吉良さん。｣
…でも、その優しさを信じるのがまだ怖い。
優しい言葉につられ、信じようとした矢先に何が起こるのか…。
せっかくの吉良さんの言葉に対して、つい甘い罠だと考え込んでしまう自分がいる。
酷いよね…私って…。
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ふわもこ(プロフ) - ゆーみやンさん» コメントありがとうございます！最後までこの小説を読んで下さってありがとうございます！今後も楽しいお話が作れるように頑張ります♪誠に感謝です！(^^♪ (2019年11月12日 7時) (
レス) id: 5db886f9a4 (このIDを非表示/違反報告)
ふわもこ(プロフ) - あかりさん» 返信遅くなって申し訳ございません…！2回もコメント下さってありがとうございます！(^^♪ (2019年11月12日 6時) (レス) id: 5db886f9a4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみやン(プロフ) - 完結おめでとうございます!!! ヒロトむっちゃかっこよかったです……！ドキドキしました！！ 短編集も楽しみにしています！お疲れ様でした( *´艸｀) (2019年11月10日 22時) (レス) id: cef1a7a657 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - ヒロト頑張って (2019年10月16日 7時) (レス) id: 8cd13c0c45 (このIDを非表示/違反報告)
ふわもこ(プロフ) - あかりさん» コメントありがとうございます！素敵なお言葉が貰えてとても嬉しいです…！今後も楽しい小説が作れるように頑張ります(^^♪ (2019年10月15日 21時) (レス) id: 5db886f9a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふわもこ | 作成日時：2019年6月25日 19時
