信じてるから…【J.W】

濱田side ページ9

俺は、屋上に向かった。



Aはいつもそうや。



メンバーになにか言われたときは屋上に行ってる。



『濱ちゃん………ﾋｸｯ』



屋上の扉を開けると、案の定Aはいた。



でも、いつもと違かった。



どんなときも、メンバーになに言われても笑ってるあいつが泣いていた。




それは、俺が初めて見たあいつの泣き顔やった。




Jr.の時からずっと一緒に居っても、泣き顔ひとつ見せんあいつが泣いていた。



俺は、すぐに駆け寄って抱きしめていた。



『濱ちゃん……ﾋｸｯ……ﾋｸｯ……』



そこで、俺は初めて気づいた。




あいつが抱えているもんは、俺が考えていたもんとは大きさがちゃうことを。





そして、それを抱え込ませたんは俺達なんだと。




｢ごめんな。支えられへんくて。こんなこと、止められんくて。｣




でも、あいつは。



『濱ちゃんや、みんなは悪くないよ。ちゃんとついていけへん私が悪いんよ。だから、
　自分を責めんといて。なっ？』



って。



無理して、笑顔まで作って。



そうやってまた自分で抱え込むやん。




俺。アホやから、そう言われると何て言っていいか分からんのや。



なぁ。お願いやから俺にも頼ってや。




俺にも、助けさしてや。




俺はただAを、抱きしめてやることしかできひんかった。




他になにもできひんかった。




俺は、こんな俺が一番嫌いや。





俺は変われるんかなぁ。

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