書類と太宰と天気予報ー2 ページ3
太「どうだい天気は?」
いつの間にか着替えを終えて私の後ろに立っていた太宰さんの言葉に答える
「これから明日の昼頃までは駄目そうですねりずっと雨風が酷いみたいです」
太「う〜ん…明日から外に出たくないなぁ………仕事もしたくn__」
「いつもしてませんよね?」
太宰さんの言葉に間髪入れず突っ込む。このスキルも太宰さんのお陰で上がったと思うと心境は可也複雑なものだ
太「えぇ〜そんな事ないでしょう?ちゃんとやる時はやってるじゃないか…」
確かにやる時“は”やる男で、しかもこれがかなりの有能な人物である。普段からちゃんとしていれば国木田さんの負担も減らせるのだが…
そんな彼を軽くあしらっていると、彼がテレビを見て「おや」と声を上げた。
つられて私もテレビを見るとそこにはこの大雨の中、駅だろうか、路上ライブをして居るグループが居た。
彼等はインディーズ。所謂デビューをしていないグループの様で、実況者も名前が分からないと。云っている。
風のせいで音楽は聞き取りにくいがものの、今現在ライブを行っているのがはっきりと分かる。
その時テレビカメラが彼等をアップで映し、一人一人へとゆっくりとカメラの首を振る。
そこには昔見慣れていた筈の髪色が映っていた
「…まさか………?」
私は食い入るようにテレビの画面を見つめる。
「………あぁ…良かった…夢を叶えるんだね…」
思わずそう呟いていた。
「ん?……嗚呼、お兄さん達だね?」
「はい…元気そうで良かったです」
「ずっと会いたがって居たからね、君は。…会いに行くのかい?」
「そうですね…見るだけにしておきます。今は、話さなくてもいい」
今は遠目から見るだけで十分だ。それに、私にはもう彼等に会う資格は無いだろう。この汚れた手では…
黙り込んだ私に彼は「そう」と返し、目線を私から外した。
テレビは既に違う内容になっていた
私は太宰さんの襟首を掴んで机へと引っ張る
太「Aちゃん?!苦しいのだけど!」
「こうでもしないと仕事しませんよね?国木田さんに言われる前にやりましょうよ」
太「えぇ〜、楢Aちゃんが手伝ってくれ給えよ!」
「…………仕方ありませんね。少しだけですからね?」
国「A、余りそいつを甘やかすな」
いつの間に聞いていたのか国木田さんが口を突っ込んでくる。それに少しだけですからと返し、太宰さんの机に乗っている書類の一部を抜き取る。
相変わらずの社内とは真逆に外は次第に荒れていった。
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名無し60018号(プロフ) - とても面白かったです!自分すごく続き気になります!これからも応援してます!頑張ってください! (2020年9月22日 8時) (レス) id: 944439b224 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白翼 桜 | 作成日時:2018年5月31日 15時