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Aを診察し、頭部に薬を塗りながら話す。
「小さめのたん瘤、吐き気や目眩は無し…。取り敢えずは大丈夫でしょう」
『だから言ったじゃないですか、大丈夫って』
「今日明日は非番でしたよね?今日は此処に泊まってください」
『え、でも』
「駄目です」
『大事ないんでしょ?』
「駄目です」
『何でぇ……』
不服そうな声を出すA。
「貴女に何かあったら、カナヲが悲しみますよ?」
貴女は知らないでしょうね。
大きな怪我をして帰ってくる度に、カナヲが心配している事。
私やアオイに「Aは大丈夫ですか」って何回も聞いている事。
『あ、狡い』
「何がです?」
『私がカナヲ大好きなの知っててその名前出すの』
「狡くないですよ」
『…しのぶさんそれ、そっくりそのままお返ししますよ』
「何がです?」
背中をむけていた彼女は、クルッと此方に体を向ける。
『しのぶさんに何かあったら、カナヲが泣いちゃうよ』
「___私は大丈夫ですよ」
『しのぶさんの「大丈夫」は、天気占い並に信用なりませんね』
「言ってくれますね」
『カナヲだけじゃなくて蝶屋敷の皆、柱の皆さん、お館様も悲しみます』
「あら、Aは悲しんでくれないんですか?」
『え、私?私は悲しい事が起こる前に行動するかなぁ』
そう言って、ボフッと飛び付いてくる。
「あらあら」
『すみちゃん達にお土産渡したんです、よもぎ餅。皆で食べましょう?』
「そうですね」
『で、その後は私と添い寝です。一緒に寝ますよ』
「その様な趣味は無いんですが?」
『しのぶさんにはこれ位強引でなきゃ』
ニコッと、屈託の無い笑顔を浮かべる。
貴女は、「悲しんでくれる」とは言ってくれないんですね。
皆が笑顔になる方法を一番に考える。
姉さんが亡くなった時もそうだった。
笑っている私を見て『皆が悲しくならない様に』と沢山働き掛けてくれた。
その行動にどれだけ救われた事か。
その笑顔に、一瞬だけ姉さんが重なる。
「……」
『?』
私は、その頭を軽く撫でた。
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りあむ(プロフ) - 続き待ってます、、、、、、、! (2021年10月12日 20時) (レス) @page37 id: 5dcfb8d8c8 (このIDを非表示/違反報告)
義勇と杏寿郎推し - ド派手に頭突きしたのか煉獄の旦那に!ド派手に凄いな! (2021年4月8日 17時) (レス) id: 4609b567d2 (このIDを非表示/違反報告)
義勇推しさん - どうも!コメントありがとございます!蜜璃ちゃんかわいい!キュンキュンするわ!更新頑張ってください!楽しみにしてます! (2021年2月10日 17時) (レス) id: 11d230a7dd (このIDを非表示/違反報告)
桜餅さん(プロフ) - 義勇推しさんさん» 初めまして〜!読んでくれてありがとうございます。これから炭治郎もっと出す予定なので楽しみに待っていてください…! (2021年2月10日 9時) (レス) id: 6fc48f12f5 (このIDを非表示/違反報告)
義勇推しさん - 初めまして!炭治郎も好きなのでこの小説楽しく読ませてもらってます!これからも頑張ってください! (2021年2月9日 19時) (レス) id: 11d230a7dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜餅さん | 作成日時:2021年1月4日 0時