【BTS】性別不詳のソロアイドル (ページ9)

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「え、あの…あ、」

『あの、Vさん？ですよね？』
『わぁ、僕のことも知ってくれてるんですか？嬉しい！』
『や、あの…皆さん行っちゃいましたけど。』

咄嗟に韓国語に直して問いかける。何してるんだこの人。自由か。

『すぐ行くから大丈夫です！その、僕もMWさんとお話ししてみたくて』
『そ、そんな理由…光栄ですけど、怒られません？』
『あー、怒られちゃいますね。それでも話したかったんです。』

な、なんでそんなに…と思ったけど、まあ余程話したいことでもあるのだろうと言葉を飲み込んだ。

『…で、話したいって…具体的に何を…？』
『あ、特にないんですけど』
『あ、特にないんですね…』
『んーと…僕達の中で、特にすごい！かっこいい！て人居ました？』

期待の目で見てくるVさん。話題がないからってそんな…これVさんって言うべきかな…。
でも、皆さんそれぞれ素敵だったからなぁ。

『…ごめんなさい、誰か一人には絞れそうにないです。』
『あぁー、そうですか…』

Vさんがシュンとした顔で肩を落とす。そんな落ち込まんでも…

『…Vさんは…』
『？はい』
『…キレのある豪快なダンスに加えて、その時々に合わせた表情の切り替え方がとても素晴らしかったです。自身の魅力を上手く利用した魅せ方を、よく理解していると感じました。』

『別の楽曲を聴いた時は、ファルセットとチェストボイスの使い分けが上手だと感じました。…Vさんは、とても魅力的な人ですね。』

そう言ってVさんの方を見ると、ニコニコ…というより、ニヤニヤと言うべきか。
ものすごく嬉しそうな笑顔で私を見つめていた。

『そ、そんな…えへへ、何だか恥ずかしいですね…。』

ポリポリと頬をかくVさん。褒められ慣れてるだろうに。

『…あ、自分もそろそろ戻らなきゃ…それではすみません、この辺で…』
『あっ、ごめんなさい、引き止めちゃって…』
『いえ、楽しい時間でした。では、機会があればまたどこかで。』
『っはい！また！』

深々とお辞儀をして、舞台裏を後にした。