【BTS】性別不詳のソロアイドル (ページ43)

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43.JN ページ43

『い、いかが、でしたで、しょうか…。』
『ふはっ、かしこまりすぎ。そうだな…落ちサビ、もう少しインパクトがあってもいい。例えばこのフレーズを…』
『あっ、なるほど…！確かにそっちの方が引き込まれますね。それならラスサビにコーラスとか…』
『うん、それも良いな。あと…』

ユンギとAが楽しそうに話してる。
Aは最近知り合った割には皆かなり気に入っていて、もちろん僕もその内の一人。
もう1人弟のような存在ができたみたいで、みんなで可愛がってる。

ユンギはまあ、僕が唯一の兄なだけあって割と頼ってくれるから、僕にとっては可愛い弟だ。

そんな可愛い弟2人…それも珍しくユンギが仲良くしてるのは、1番上の兄としてはとても嬉しいし、見ていてほっこりする。

…というのは、半分本音だけど、半分建前。
残り半分の本音を言うと、僕ももっとAと仲良くなりたい。

マンネラインは遠慮を知らないからかなりガツガツ話しかけるし、Aもそれを嫌がらないどころか小さい子供や動物を見るような目で可愛がっているから、きっとお互いに良い距離感なのだろう。

ユンギとナムジュンは今もそうだけど、よく音楽の話をしているし、ホソクもAとダンスの話やアドバイス等をしてる。

なら僕は、なんの話しをしたらいいだろう。

いつも弟たちにするような面倒臭い絡み方をしようにも、まだAとの距離感が分からないから遠慮してしまう。
1番年が離れているのもあって、向こうからは話しかけづらいだろうし。

たまに話すことは出来ても、みんなみたいにワイワイするまでには至らなくて、なんだかもどかしい気持ちになる。
…僕らしくないな、こんな事考えるの。でも、僕だって悩む時くらいある。

なんて考えていると、Aと目が合った。なんだろう。
目を合わせたまま首を傾げると、Aが口を開く。

『ジニヒョ…ッパ』
『ん゛っ、』
『えっ？』

隣のユンギが噎せた。いや、多分、ヒョンとオッパが混ざったんだろうな。Aは韓国語が上手くても日本人だから、使い分けるなんて特にややこしいだろうし。

偶然少し静かだったからか全員の耳に入ってしまったようで、みんなが一斉に笑い出す。釣られてAも笑い出した。

『や、すみませ…っ、んふふ、言いたいこと忘れちゃった。』
『…んふ、あははっ！ジニヒョッパ！いいね、次からそう呼んでよ！』
『ちょ、からかわないでください…！』

…うん。焦る事ないよね。
今は、このままで充分だ。