【BTS】性別不詳のソロアイドル (ページ36)

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ホソギヒョンに叱られるジミニオッパを笑って眺めていると、後ろからテヒョンイヒョンが私の肩をつついた。

『MWさん、今度の…なんだっけ、Music…？』
『…？あ、Music Diaryですかね？この前オファー来ました。最近新しく始まって、年に2回あるっていう…』
『！それそれ！俺たちもうカムバ期間が終わっちゃうから、その番組を最後に韓国に帰っちゃうんだ。』
『…あ…そう、ですよね。そっか。』

そうだ、彼らは元々韓国のアーティストで…日本に来たのも、一時的なんだ。
日本での用が済んだら、また韓国に戻る。当たり前の事なのに、すっぽりと頭から抜けていた。

……寂しいな、なんて…思うくらい、許されるだろうか。

『……またすぐ来るよ。日本での活動は多い方だし、プライベートでも来る。MWに会いに行くよ。』
『……ふふ、なんですかそれ。ARMYの皆さんに会いに来なきゃ。』
『いひひ、それもそうだ。』

テヒョンイヒョンは口を四角くして笑う。
これは内緒だけど、彼が真剣な顔をして言うものだから、ちょっとときめいてしまった。流石の破壊力だ。

『…絶対に、会いに来るからさ。そんな顔しないで。』
『…してないです。どんな顔ですか。』
『寂しい、行かないでって顔。』
『してないです。自分達、まだ会って二回目ですし。』
『えー？それでもこんなに仲良くなったのに？』

そう言ってテヒョンイヒョンは肩を組んでくる。ほんと、会って二回目でよくこんな仲良くなれたな。…仲良くって、私が言うには図々しいか。

本音を言えば勿論寂しい。芸能界に入って、こんなに人と話したのは初めてだったから。今まで親しい人なんて、1人も作れなかったから。

ミステリアスなキャラを保たなきゃって思うと、人と関わることも躊躇ってしまって…。
番組以外で人と話すのも、笑い合うのも、触れ合うのも…悩みを話すのも、涙を流すのも…全部が、初めてだったんだ。

たった二回でも、彼らは私にとってかけがえのない存在になってしまったんだ。

それでも寂しいと言いたくないのは…言葉に出してしまえばきっと、もっと寂しくなってしまうから。
それに、貴方達は優しいから、困らせてしまうのが嫌なんだ。

『…寂しくは、ないです。でも…また会える時を、とっても楽しみにしてます。』
『…ひひ、俺も。』

彼はそう言って笑うと『でも俺は寂しいからね！！』と、私に盛大なハグをかました。
これに慣れてしまった自分が怖いよ。