【BTS】性別不詳のソロアイドル (ページ28)

今日:1 hit、昨日:18 hit、合計:352,403 hit

28.JH ページ28

「ーー♪︎」

会場にMWさんの綺麗な歌声が響き渡る。

前回よりまた歌もダンスも成長しているのがわかる。きっと、ジミンやジョングクのような努力家なのだろう。

MWさんは凄い。あれだけ激しいダンスを踊りながら音程を全く外さないし、動きや声に疲れを感じさせない。
ダンスだけでも1曲分でかなりの運動量だと思うけど、それをさらりとこなすように踊ってしまうのだ。

流石に年月が違うから、うちのジョングクまでとはいかないけど…MWさんなら、すぐにでも追いついてしまいそうだ。
MWさんを見ていると、俺も頑張らなきゃと思える。デビューして2.3年の、それも年下の子に追い抜かれるなんて嫌だからね。

『あ、』

今、一瞬つまづいた。上手く持ち直したから、あまり目立たなかったけど…。

『？ホビヒョン、どうかした？』
『…や、なんでもないよ。気のせい。』

ジョングクは気付いていない様だった。他のメンバーも特に気にしている様子は無かったし…俺だけかな。なら、俺も気付かない振りをしよう。
態々人の失敗を掘り下げるなんてこと、する必要ないし。

なんて考えているうちに、MWさんのパフォーマンスは終了した。

…………
……
…

「ありがとうございました！とっても素敵なパフォーマンスでしたね〜！」
「思わず見とれてもうたわぁ、ファンになりそうや。」
「んはは、ありがとうございます。」

なんて笑ってるけど、内心マジで笑えない。
途中で軽く蹴つまづいた。幸い上手く持ち直せたと思うし、誰にも突っ込まれないから、気付いてないんだろうけど…。

控え室に戻ったら反省会だな。

「では、CMの後はいよいよBTSの皆さんです！」
「んじゃMWさん！CMの前に、TVの前のファンに一言と愛嬌やってもろて！」
「えぇ？！き、聞いてな…！」
「はい、せーの！」

む、無茶ぶりが過ぎる…！！！
TVの前のファン…ファンにとって私の愛嬌って需要あるか？！
でもヤバい、生放送だし時間が…！

「……む、…MW'sの皆さん、ずっと一緒にいましょうね。愛してます。ちゅ！」

これが愛嬌に入るか分からないけど、両手で投げキッスすれば充分だろう。
私はそのまま顔を覆ってカメラに背中を向けてしまった。TVではあまり許されないけど今日は勘弁してくれ。

「かわいい〜！」
「んまぁ〜照れちゃって！MWさんまたファン増えてまうなぁ！」
「うぅ…めちゃくちゃ顔熱いです…」
「だっはっは！」

何わろとんねん、と思いつつCMに入ったことを確認し、その場を後にした。