2人はいつもすれ違い (ページ21)

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ハンター試験ページ21

一方その頃、Aは先程の出来事を思い出して身震いしていた。
キルア達どこだろう？まだ起きてると良いなぁ。

『ぁ』

キルアとゴンを探している途中に見てしまったのは廊下に転がる二つの死体。辺りには血の臭いが漂っている。
自分に関係のない死体それを一瞥し、Aは吸血鬼のため、血を吸わないように口を抑え、スルーした

『キルア』

見慣れた銀髪を見つけて声をかける。窓辺に座っていた彼は、集中していたのか肩を振るわせた。

「っ!!……A、まだ起きてたのかよ｣
『色々あって眠れなかったの。キルアはまだ寝ないの？』
「あぁ」

ぼーっと外を眺め続けるキルアの隣に座る。僅かに感じる血の臭い。あれは彼が殺ったの察する

Aと別れた後、ゴンとキルアはネテロとボールとりをしていた。二人がかりでもボールが取れないどころか、ネテロは右手左足を使っていなかったらしい。キルア、それで拗ねてるのかな？

『キルアはさ、何でハンターになりたいの？』
「オレ？別にハンターに何かなりたくないよ」
『そうなの？』
「ものすごい難関だって言われてるから、面白そうだと思っただけさ。けど拍子抜けした」
『ふーん』

「Aは？」
『キルアと同じだよ、ハンター試験って面白いイメージあるからさ』
『でもね、逃げるためってのも、あるかな』
「逃げるため？」
『話は終わり！』

互いに無言になったので、Aは今日あった出来事を思い返していた。そして段々眠くなってきて、瞼を下げた。

.

＿＿ｽーー……

隣から聞こえる規則正しい寝息。

こんなとこで寝るなんて無防備な奴だ。オレを信頼してるのか、男として見てないのか……

『私はキルアのこと嫌いにならないから、心配しないで』

眠る前にAが呟いた言葉を思い出す。寝ぼけて言っただけか、どうせ彼女に深い意味はないだろう。

「意味わかんねぇ奴」

そう言いつつも、キルアの顔は少しだけ綻んでいる。