2人はいつもすれ違い (ページ16)

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ハンター試験ページ16

「悪!! おなかいっぱいになっちった｣

程なくして、メンチの満腹試験終了が言い渡された。
ハンゾー294番の発言がメンチの怒りを買ったせいで、メンチの審査がヒートアップ。二次試験の合格者は0人と言い渡された。

ここまでふるいにかけられて残った者達だ。簡単に納得するはずもない。受験生達は厳しい結論にざわめき始めた。

ドゴオォンン!!＿＿後方から破壊音が響いた。そちらに視線を移すと、大柄な男(ブハラには及ばない)が額に青筋をたてていた。調理台が見るも無残に壊れている。

確かトートー?何か違う、ドードーさん?だったっけ。

「オレが目指しているのはコックでもグルメでもねェ!! ハンターだ!! しかも賞金首ブラックリストハンター志望だぜ!! 美食ハンターごときに合否を決められたくねーな!!｣

「それは残念だったわね｣

メンチは男の主張を一言で片付けてしまう。その高圧的な態度が男の神経をいっそう逆撫でした。

「何ィ!?｣
「今回のテストでは試験官運がなかったってことよ。また来年がんばればー？｣
「こ……ふざけんじゃねェー!!｣

怒りが沸点に達した255番はメンチに殴りかかった。
なにかむしゃくしゃしたAはドードーの前に出て、軽々と蹴った

『わー、飛んだ飛んだ』

「いや、お前呑気過ぎだろ」

キルアがAをじと目で見た。

｢なかなかやるじゃないの」
そうメンチは言った

『なんかムカついたので』

｢フード脱いでみてよ」

『それはお断りします、では』

そう言ってキルア達のところに戻った

「それにしても、合格者0はちとキビシすぎやせんか？」
「!!」

空から声が降ってきた。建物から出た受験生達が空を見上げれば、そこにはハンター協会のマークが描かれた飛行船、と人影。

＿＿ドォン!!

空に浮かぶ飛行船から何者かが飛び降りて……というよりも落ちてきた。

絶対脚折れてるだろ、何で歩けるんだ!? と、ほとんどの受験生がツッコミたい衝動を抑えたに違いない。

驚く受験生達に答えるようにメンチが言う。

「審査委員会のネテロ会長。ハンター試験の最高責任者よ｣

現れたのは先ほどの声の主でもある爺＿＿アイザック=ネテロであった。彼が受験生にとっては救世主となるのだった。

結果、審査のやり直しが決まった。ネテロの提案によって、再試験ではメンチも実演という形で参加することとなった。