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「あ、あとそれから。」
ドアの前に立ったAはなにかを思い出したかのように城戸の方を振り返った
「この先もし玉狛に武力行使をするなら私の方へどうぞ。
だれがなにをしようとも私はお伺いしますよ。」
それでは。
不穏な空気を残したまま、
Aは会議室を出ていった
.
.
.
「ゆーまくん。」
「めらちゃん先輩。
寝ないの？」
「ゆーまくんこそ。」
屋上に行くならこれ持っていってやれ。
そうレイジから渡された温かい飲み物を遊真に渡す
「俺は寝なくても大丈夫なんだ。」
「トリオン体なんでしょ？」
「そうそう。」
Aは遊真のとなりに腰を下ろした
支部の屋上は本部の屋上とちがい、
川の流れの音が心地よい
「めらちゃん先輩はなんでボーダー入ったの？」
「お兄ちゃんが入ってたから。」
「お兄ちゃん？」
「うん、今はもうこれだけどね。」
Aは右側の髪の毛を耳にかけて、
耳たぶについている黒い塊を遊真に見せる
「黒トリガーなのか？」
「うん。
4年半前の大規模侵攻でね。」
「ということは、めらちゃん先輩はずっと前からボーダーにいるってことか？」
「そうだよ。
キミのお父さんのこともよく知ってる。」
カップを自分の隣に置き、カメラを操作する
それはいつも持っている一眼レフではなく、
小さなデジカメだった
「ほら。
これが有吾さん。」
「これはめらちゃん先輩？」
「そうそう。
で、これが私のお兄ちゃん。」
そこにはカメラに向かって不機嫌そうに目を向ける男性が写っていた
.
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作者名：名もなきもの
| 作成日時：2021年2月22日 7時
