めらちゃん先輩【ワールドトリガー】 (ページ29)

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Apologize ページ29

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「なにか教えてもらえたか？」

「ダメですね。

本人は言おうとしてくれてるんですけど、

そのことを話そうとすると震え出して。」

「まぁ、仕方ないよな。

10歳の女の子が自分の知らない世界に連れてかれたんだから。」

ふーっとたばこの煙を吐き出した林藤に、

迅は肩をすくめた

Aがこちら側に帰ってきて1週間が経った

どのようにして帰ってきたのか、

向こうではなにをさせられていたのか、

独自に近界民のことを調査しているボーダーからすると、

聞きたいことは山ほどあった

Aもそれを理解し、

できる限り答えようと努力はした

「トラウマみたいです。」

「そりゃそうだろなー。

俺だってこの年齢で連れ去られてもある程度トラウマにはなりそうだし。

自分で帰ってきただけ偉いよ。」

城戸や忍田を含めた幹部がなにも言わないのも、

それを理解しているから

それほど12、3歳の女の子が一人でこちらに帰ってくるのは難しかった

林藤の部屋を出た迅は、

その足でAがいる部屋に向かった

ノックをしようとしたそのとき

「ごめんなさい。」

「Aが謝ることはなにもない。

帰ってきてくれただけでいいんだ。」

「でも、私助けてくれた人たちになにもできない！！

もう自分が嫌になりそうだよ！！」

「A。」

悲痛な叫びにドキッとした

みんなAを気遣っているつもりだった

だが、それは自己満でしかなかったのだ

「私、帰ってこなかった方がよか、」

「A！！

それ以上言ったら怒るからな。」

「ごめんなさい。」

音も立てずその場から立ち去ったのは、

それ以上Aの声を聞いていられなかったから

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