402ページ センラside ページ47
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夜、後甲板の冊によりかかり船が作る波を見ていた
いや、本当は考え事してるだけなんだけど
『……センラ』
センラ「っ！A君、どうしたん……？」
急にかけられた声にばっと振り向き、ちょうど考えていた相手だったことに動揺すると、彼……いや、彼女はくすりと笑って近づいてきた
『隣いい？』
センラ「……ん、」
小さく返事をすればA君は隣へ来て柵に腕をかけて寄りかかった
告白のこともあり気まずくて僕はまた海を見つめた
『……センラはさ、どうして俺を好きになってくれたの？』
センラ「えっ！？」
振られた話の内容に思わず彼女を見てしまう
しかし彼女は海を見たままだ
僕ももう一度海に視線を移した
センラ「……覚えてるかは分からないんだけどね…。僕のあの事件があった時、君が言ってくてた“ センラは一人じゃないから”って言葉がすごく、嬉しかった。あの日、僕のために自分の身を危険にさらしてまで助けようとしてくれた君に、僕に光を与えてくれた君に、僕はいつの間にか惹かれていたんだ」
君の笑顔が好きだ
君の声が好きだ
姿勢をただして彼女を見た
それに気づいたA君も僕を見上げる
センラ「僕は君の一番になりたい。君に僕の一番になってほしい。……好きだよ、A」
ゆっくりと彼女の頬に手を伸ばした
触れた彼女の頬は火照っていて、きゅっと形のいい唇は噛み締められている
『……俺、普通の女の子みたいにはなれないよ？人を殺した、汚い女だよ？』
センラ「それ言ったら俺やって人を殺したことあるから汚いんやで？普通の女なんて知らん。……他と比べる必要なんかない。俺は君が好きなんやから。ありのままの君でいいんよ」
だからさ、怖がらないでよ
怖がらないで君の事を聞かせて
『…っ、あのね、“私”、センラの事が好き……っ！』
どくりと心臓が高鳴った
涙が零れてくる
センラ「僕の、隣にいてくれる？」
『うんっ……！』
彼女の頬を包んでいる手の親指で涙を拭った
ゆっくりと、彼女の唇と自分のそれを重ねる
唇を離してコツンと額を合わせて視線を交えれば、彼女は嬉しそうにニコリと笑うのだった
いつまでも君の笑顔が続きますように
僕は隣で君の笑顔を守り続けよう
愛しい彼女の、恋人として
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山犬(プロフ) - 哀原。さん» ありがとうございます！長いので一気は大変だったでしょう…。こちらこそ読んでいただきありがとうございました！ (2021年8月22日 21時) (
レス) id: ae4ffc859d (このIDを非表示/違反報告)
山犬(プロフ) - りょくちゃさん» ありがとうございます！一つ一つこだわって書き書きしたので、そう言っていただけて嬉しいです！こちらこそ長いお話を読んでいただいてありがとうございました！ (2021年8月22日 21時) (レス) id: ae4ffc859d (このIDを非表示/違反報告)
哀原。 - 友達に推されて一気に読みました。とても面白かったです。素敵な作品をありがとうございました。 (2021年6月2日 19時) (レス) id: 720f857f3f (このIDを非表示/違反報告)
りょくちゃ(プロフ) - 完結おめでとうございます...！そして長い間おつかれさまでした！わたしは、最近知って読ませて頂いてたのですが、それぞれのお話にすごく切なくて感動しました。素敵な作品をありがとうございます！ (2021年4月17日 17時) (レス) id: f217387575 (このIDを非表示/違反報告)
山犬(プロフ) - ルナさん» ありがとうございます！長々と続いていましたが終わってしまいました(´∀｀)一つ一つ凝って書いたのでそう言っていただだけてとても嬉しいです！ご愛読ありがとうございました。 (2021年4月13日 19時) (レス) id: ae4ffc859d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山犬 | 作成日時：2020年4月3日 17時
