396ページ うらたside ページ41
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あいつはきっと俺を選ばない
うらた「無理だな……」
ベッドに仰向けになって腕で目を覆った
ｺﾝｺﾝ
『うらた、いい？』
少し動揺して飛び起きるも、冷静を装って声をかける
ガチャっと扉が開いて、Aが入ってくる
後ろ手に扉を閉めたAは視線をそらしてこっちを見ようとしない
うらた「……ﾁｯ、何の用？」
『チッって……舌打ちしなくてもいいだろ。せっかく返事しに来たってのに……』
ほらまた喧嘩腰
返事しに来たってのも断るためだろ
そりゃあそうだよな、会ったらすぐ喧嘩に発展するようなやつといたくないだろ
なら最後に少しぐらいはドギマギさせてやろうか
俺はAの前に立って、すぐそこにある目を見つめた
『な、なんだよ……』
ドンッ！と、片手をAの耳横の扉に叩きつけた
うらた「…A、好きだ。……俺に、するよな？」
『っあ……』
耳元で低く、言葉を発した
腰が抜けたのかずるずると下に下がっていくA
茹でダコみたいに真っ赤になった顔が酷く、そそられた
うらた「……これだけで真っ赤になってどーすんだよ。これから告白しに行くんだろ」
『……お前、振られると思ってんの？』
うらた「は？当たり前だろ。会うたびに喧嘩するようなやつと恋仲になりたいなんか思うわけねーよ」
ベッドに戻り座って横になり目をつむる
すると急にベッドがギシッと歪み沈んだ
……目を開けると俺の上にあいつがいた
うらた「は、ちょ…！！」
『……なんでだよ……』
ぽとっと何かが俺の頬に落ちてくる
Aの両目から溢れる涙が俺に落ちてきていた
『なんで俺の話聞いてくれないんだよ！なんでお前が俺の気持ちを決めつけんだ！』
流れる涙を拭いたくて、頬に手を添えた
『……好きなんだよ、うらたが……っ』
うらた「……え……ほんと、に？」
『当たり前だバカ！こんな嘘言うはずないだろ！』
両腕を背に伸ばして引き寄せるとゆっくりと彼女は近づいてくる
俺の肩に顔を埋めた
うらた「俺で、いいのか？」
『……いいから"私"は今ここにいるんだよ』
うらた「そっ、かあ……」
欲しくて手を伸ばしていた光
それが今、ここにいる
俺を選んでくれた
俺だけの、光になった
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山犬(プロフ) - 哀原。さん» ありがとうございます！長いので一気は大変だったでしょう…。こちらこそ読んでいただきありがとうございました！ (2021年8月22日 21時) (
レス) id: ae4ffc859d (このIDを非表示/違反報告)
山犬(プロフ) - りょくちゃさん» ありがとうございます！一つ一つこだわって書き書きしたので、そう言っていただけて嬉しいです！こちらこそ長いお話を読んでいただいてありがとうございました！ (2021年8月22日 21時) (レス) id: ae4ffc859d (このIDを非表示/違反報告)
哀原。 - 友達に推されて一気に読みました。とても面白かったです。素敵な作品をありがとうございました。 (2021年6月2日 19時) (レス) id: 720f857f3f (このIDを非表示/違反報告)
りょくちゃ(プロフ) - 完結おめでとうございます...！そして長い間おつかれさまでした！わたしは、最近知って読ませて頂いてたのですが、それぞれのお話にすごく切なくて感動しました。素敵な作品をありがとうございます！ (2021年4月17日 17時) (レス) id: f217387575 (このIDを非表示/違反報告)
山犬(プロフ) - ルナさん» ありがとうございます！長々と続いていましたが終わってしまいました(´∀｀)一つ一つ凝って書いたのでそう言っていただだけてとても嬉しいです！ご愛読ありがとうございました。 (2021年4月13日 19時) (レス) id: ae4ffc859d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山犬 | 作成日時：2020年4月3日 17時
