【歌い手】男装海賊少女は赤を望む

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サルザンカ共和国




そこは武道国家




中でも権力を持っていたのが坂原武道場の師範だった




数多くの武道士を輩出しているその武道場




そこにはある少年がいた




赤い髪と瞳を持つ少年、坂田




坂田は幼いながらも様々なことを考える子供であった




その理由は、両親にある




結婚し、坂田が生まれたばかりの頃二人は愛し合っていた




しかし、坂田が4歳になった頃




二人は大喧嘩をした




ちょっとしたすれ違いであったが二人はお互いに疑心暗鬼になる




ついには男の方が暴力を振るうようになった




そこには幼い坂田も巻き込まれた




父親の機嫌を損ねれば暴力が




母親はだんだんやつれていく




坂田はそれが何よりも辛かった




そして決めた




自分が母を守るのだと




坂田は空気を読む、相手の望む振る舞いをする、ことを目指した




自分は明るく、少しマイペース




本当の自分を押し隠した




その甲斐あってか暴力はだんだんと減っていった




しかしある日、父親がまた暴力を振るった




このとき、それを見ていたものがいた




父親は警備兵に引き立てられた




残された母親と坂田




しかし、弱りきった母親は倒れてしまう




走りよった坂田に母親は言った




母「よく…聞きなさい……これから貴方は坂原武道場に住まわせてもらうのよ…。お母さんは、一緒に、行けないけど、いい子に、して、立派な武道士に、なっ、て……。」









坂田は母親の言葉通り坂原武道場に行った




母親がもし自分に何かあったら…と話をつけていたそうだ




それはちょうど、彼が7歳の時だった




坂田は弱味を見せまいともう身に付いてしまった作り笑いを完璧に行った




彼は無事、武道場のムードメーカーの位置についたのだった




身体能力に恵まれた彼はどんどん成長する




2年、3年とたつうちに自分より年上の大人をも倒せるまでになった




彼には親友ができた




親友は同時にライバルになった




名前は坂下平助




平助は正義感が強く、元気な性格




そして、松坂柚里ﾏﾂｻﾞｶﾕｽﾞﾘ




柚里は落ち着いているがはっきりとした性格




同じところの他に違うところもある彼らだが、三人はとても仲がよかった




彼らはお互いに刺激しあい、技を高めていった




坂田はまだ、仮面を被ったままだが




その中でも坂田は特に強くなった




成人の男をものの数秒で倒せるようにまでになった




期待が坂田に注がれる





しかし、事件が起こった




今から5年前のことである

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