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え?私、売られないの?何でかこの人が嘘をついている様には思えなくて「え、じゃあ、私、何でココに?」って遠慮がちに聞くと男は数秒考えてから口を開いた。
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『あー…………アレだ、アレ。ここがお前の新しい家になんだよ、多分』
「はぁ!?」
『まあ上がって行けって」
「い、いやです!いやです!…っ、いぎゃーーー!」
『あ"ーもううるせぇな!さっさと行くぞ!』
「ぎゃーーーー!誰かーーーー!!!」
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絶対!絶対適当な事言ってるよこの人!やっぱり売るのか!?売られるのか私は!??
パニックになりながらも必死で車の窓枠にしがみ付く私。だけど首根っこを掴む男の力は強くて負けそうだ(絶対女の子を扱う時に出す力じゃないと思う)く、首が締まる…!
あまりの馬鹿力に今にも背後にそびえ立つ如何わしげな高層ビルに連れ込まれそうだ。もう…こ、こうなったら…!
意を決し、男が引っ張ったタイミングに合わせてパッと車から手を離す。
それにならって私の体は男に向かっていって男が『っ、てめ….!』って悔しそうな表情で体制を崩しているところ、奴の右頬に右肘をお見舞いしてやった。
お。いい感じに入った。
あとは伸びたこの人を盾にこの黒ずくめの人たちから逃げ出して…という算段だった。
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だったのに……
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「………ひっ、」
『手前ェ…
重力に潰されてェのか!あ"!?』
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁあ」
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男は倒れておらず、さっきの攻撃で切れたんだろう。唇から血を流しながら私の腕をこれまた物凄い力で握る。
痛い痛い痛い痛い!千切れる!千切れますって!痛さと怖さで叫ぶ事しか出来ない私を男はこれまた乱暴に突き飛ばす。
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「うげっ、」
『チッ、連れてけ!』
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
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黒ずくめの集団に突き飛ばされ、今度は身動きが取れないほどに全身ぐるぐると縛られて高層ビルの中にズルズルと引きずられていく。
だ、誰かーーーー!!!
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作者名:と び ま る 。 | 作成日時:2019年10月10日 0時