恋トモ。 (ページ26)

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「ねぇ拓弥、数学教えて！」

「は？自分でやれ」

「えーっ！冷た…！」

休み時間拓弥の席まで行って数学の宿題を教えてもらおうにも、なぜかご機嫌ナナメで、即断れてしまった。

なんか拓弥あの日から機嫌悪いんだよね。

あたしがあやか先輩とバイト先に行ってから…。

まぁ来るなって言われて行っちゃうあたしも悪いんだけど、そこまで怒らなくてもよくない？

おまけに小笠原先輩のことも文句言うし…

「ケチ～…」

「やってこないお前が悪い」

「だって分かんなかったんだもん。

分かんなかったからできないじゃん」

「海先輩と連絡ばっかとってるからだろ。

どうせなら先輩に教えてもらえば？」

むむむ、何よその言い方は…

確かに連絡マメにとったりしてるけど、それとこれとは関係なくない？

それに自分小笠原先輩と仲いいんじゃないの？

なんでそんな悪く言うわけ？

「…わかった。

じゃあ三年の教室行ってくる。」

そう言ってガタッと立ち上がった。

もういいよ、別に拓弥じゃなくても聞く人はたくさんいるんだし

そんなふうにバカにしてくるんだったらこっちだって…

＿＿ガシッ、

だけどその時右手首をぎゅっと掴まれた。

驚いて拓弥のほうを振り返る。

すると拓弥は怒ったような困ったような、なんとも言えない顔で

あたしの顔をじっと見た。

「……あーわかったよ。教えりゃいいんだろ？

仕方ねぇな…」

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