男主とアイドル【あんスタ】

不器用【大神晃牙】 ページ7

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『……なんか…好きみたいな、感じなんだよ、ね』

「…………じゃあ、付き合ってみるか」

『え、』








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怖そうに見えた彼は、案外話してみると気さくで優しい心を持っていた。

口は悪いけれど、なんだかんだ辛い時とかは慰めてくれたり、良いやつだと思った。




それが、いつの間にか良いやつ以上の価値に変化していた、なんて。






思わず口が滑った出来事により、まさかの交際が始まった。

正直、凄く嬉しくて浮かれた。




無意識に目で追ってしまうし、俺と話してくれるだけでそりゃあもう幸せで。

あと、他の奴と少し距離が近いと、なんだか腹が立ってしまう。


まあ、男子だし、そんな気にすることないだろう……。









でも。









「離せっ、吸血鬼ヤロー！！」

「これこれ、わんこ。そんなに騒ぐとうるさいぞい」

「てめえがしてんだろうが！！」









朔間先輩に髪を撫でられて、反抗するも嬉しそうに笑う姿。


……なんだか、俺よりも先輩の方が大切なんじゃと思ってしまう。

まあ、当たり前だろう。同じユニットのリーダーで、憧れの人なんだから。







でも、辛い。







一緒に帰ったことなんてないし、放課後遊ぶなんてもってのほか。
ただのクラスメイトで前後の席ということしか接点が無い。





…………本当に、付き合ってるのか。





そもそも、付き合うって何？

デートしたりすること？デートなんて何するの？手を握ったりすること？キスしたり？



……何一つ、出来てない。むしろ、他の人の方が彼を笑顔にしてるし、色んな姿を知っている。









……やっぱり、俺とじゃ、不釣り合いかな









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『俺らの関係、終わりにしない？』

「……は？」









１ヶ月に１日だけの、唯一二人っきりになれる日直の放課後。

こういう時に、自分の苗字が「大上」でよかったと思う。




相変わらず気持ちが顔に出やすい彼。

驚いた表情で俺を見つめている。先生から頼まれたアンケート用紙をホッチキスで止める作業も俺の言葉一つで固まった。









『そもそも男同士だし、やっぱり俺の勘違いだよ。ごめん、無理して付き合わせて』









笑みを作る。

嘘は得意だ。だから、平気なフリも大丈夫。大丈夫。
大丈夫だから。









「そんなもんで勝手に終わらせんなよ！！」









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