僕のマリオネットじゃないキミ【斎宮宗】 ページ6
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『なんで僕?幼馴染の紅郎くんが言った方がいいと思うよ』
「……あいつは、大切だ。家に籠ってることが1番安全だと思うけどよ、この学院で多くの奴が会いたがってる」
正論だけど、それは斎宮宗からすれば理不尽な理由であって俺も全然連れ戻す気にならない。
こうやって、いつまでも逃げていればずっと安全じゃないか。
安全な場所で幸せにいることはいいんじゃないか。
「宗兄さんに会わせてくれないカナ?」
「『しゅう』に、あいたいです…」
「彼をあるべき場所に戻してください、小悪魔さん♪」
「あの紙コップから声が聞こえないのは寂しいんじゃよ……」
「おりぇも悪いけど、やっぱりあいつが元気じゃないのは嫌ら!あいつを連れ戻すのは、お前しかいないんら!!」
どうしてみんな、こんなに彼を愛しているのか。
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『宗くんはみんなから愛されてるね。色んな人から宗くんを学院に連れて来てって言われたよ。でも、断っちゃった』
冒頭から、いつもとは違う話題を出したから、不思議そうに彼はしたが、それ以上に次の言葉たちに驚いていた。
『宗くんを守るには、ここで安全にいることが1番だと思った。でも、やっぱりこんなに愛されてるのに気づかないので閉じこもってるのは、俺も嫌だ』
何もしなくても、愛されてるのは羨ましくて憎い。
俺は、愛されてるために仮面を被りいつも努力を続けているのに、愛に気づかず逃げてる彼をどうしても好きになれない。
自分が情けなくて、ポツリポツリと涙が出てきてしまう。
すると、突然俺の涙にキスが降ってきた。
「やっと、君の本音に触れられたよ」
『……え、』
突然の事で体が固まる。
「君の本性は知ってる。表と比べ裏は冷たく氷のような性格だ。それでも、僕の傍に居てくれた君は外見以上に綺麗な人間だよ」
『……知ってたんだ。ますます嫌になってくるね』
「そんな君も丸々愛してるよ。君の泣き顔ではなく、笑顔を見せてくれないかね?」
涙ばかりでて、笑顔なんて作る暇ないよ、馬鹿だなぁ……。
『俺も好きだよ。愛してる』
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そして、ちょうど3年の春。宗はまるで当たり前かのように普通に来た。
「何なのかね彼らは。いつまでもくっついてきて大変だったよ」
『……おかえり、宗』
「ただいま」
いま、きっと俺は上手く笑えているだろう。
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全然青春じゃなくてシリアスになっちゃってすみません
咲耶さんリクエストありがとうございます!
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どぽぽ2(プロフ) - apipeさん» 了解です!! (2019年8月8日 21時) (レス) id: 7f61df18d8 (このIDを非表示/違反報告)
apipe - 宗さんとみかちがいいですか! (2019年8月8日 20時) (レス) id: 6a53dc23ed (このIDを非表示/違反報告)
どぽぽ2(プロフ) - apipeさん» キャラ誰がいいですか?? (2019年8月8日 16時) (レス) id: 7f61df18d8 (このIDを非表示/違反報告)
どぽぽ2(プロフ) - apipeさん» 分かりました!リクエストありがとうございます^^* (2019年8月6日 7時) (レス) id: 7f61df18d8 (このIDを非表示/違反報告)
apipe - 2人が夢主が好きで夢主にアピールしてるのに全然きずかないのが見たいです。 (2019年8月5日 23時) (レス) id: 6a53dc23ed (このIDを非表示/違反報告)
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