旧Valkyrieの元ファン【仁兎なずな】 ページ37
『……違い、ます。今のあなたは…好きではないです』
俺の言葉に、2人は驚いた表情。
でも、嘘をついてこの笑顔を見続けるよりこっちの方がいい。
やはり明星は俺に向かって怒ろうとする。
でも、なずな様は俺の気持ちに察したのか明星を止めた。
「ごめんな……。今まで、ありがとう」
なずな様は別れのようにそう言い放ち、去った。
これは俺への嫌悪で言った訳ではなく、Valkyrieはもう戻らない。
そう伝えたいのじゃないかと俺は思った。
ああ、本当に、本当に、彼らは壊れてしまったんだ……
涙が1粒流れ落ちる。
「な、泣いてんの?飴ちゃんやろか?」
『え……』
みか様が慌てふためいながら俺をなだめるようにする。
信じられない、あのみか様がこんな近くに居るだなんて。
ヘラッと笑うみか様。俺の知ってる氷のように張り付いた顔とは違う。
『………笑うんですね』
「へ?」
『俺、Valkyrieのファンであなた達を追いかけてここまで来ました。それなのに、俺の憧れの完璧な人形劇の、3人のValkyrieは消えてしまいました』
俺がそう語ると、みか様は案の定落ち込み謝ろうとしてきた。
しかし、その声を遮る。
『でも!!!』
Valkyrieに憧れてから、一度も出したことがないこんなはしたない大声。
『……完璧やら芸術やら、勝手に貴女方のことを決めつけていたのは俺です。人形のように美しいですが、あなた達はちゃんとした人間で、そんなことを分かっていなかった俺は……』
『Valkyrieのファンではない』
ちゃんと考えれば彼らだって、笑って泣いて感情があると分かるはずだ。
それなのに1度も笑わない、人形のような彼らとか、俺の理想を彼らに押し付けていた。
どうしようもなく、貴女方のことを愛していた。
そんな俺は自分が勝手に作りだしていたもので、彼らの本当を愛してはいなかった。
ああ、俺の「愛していた」Valkyrie。
俺の想像、理想を押し付けていてごめん。
彼らは、今幸せに笑えているか。
そうだったら、俺はValkyrieの元ファンとして嬉しく思う。
例え、3人でなくても、彼らの人生なのだから、自由に生きて当たり前だ。
俺はもう、何も言わない。
さようなら。三人のValkyrie。
もう一度、やり直させてくれないか。
最初から。
『もし、宜しければ友人として、貴方のことを見てもよろしいですか?』
差し伸べた手は、温かい手に包まれた。
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どぽぽ2(プロフ) - apipeさん» 了解です!! (2019年8月8日 21時) (レス) id: 7f61df18d8 (このIDを非表示/違反報告)
apipe - 宗さんとみかちがいいですか! (2019年8月8日 20時) (レス) id: 6a53dc23ed (このIDを非表示/違反報告)
どぽぽ2(プロフ) - apipeさん» キャラ誰がいいですか?? (2019年8月8日 16時) (レス) id: 7f61df18d8 (このIDを非表示/違反報告)
どぽぽ2(プロフ) - apipeさん» 分かりました!リクエストありがとうございます^^* (2019年8月6日 7時) (レス) id: 7f61df18d8 (このIDを非表示/違反報告)
apipe - 2人が夢主が好きで夢主にアピールしてるのに全然きずかないのが見たいです。 (2019年8月5日 23時) (レス) id: 6a53dc23ed (このIDを非表示/違反報告)
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