14.恋 ページ14
Jack side。
Aは、誰とでもつるむ奴だ。
初日から周りに人が集まり、愛嬌の良い笑顔を振りまく。
関わるわけが無い。そう思っていたが、Aの実力は尊敬する所が案外あった。
テストは学年首位で授業態度も良い。相手に嫌な顔一つせず教えてやったりする。
……悪い奴ではないようだ。
Aの周りに人が集まるのは、全員こんな風に思うからだろうか。
『ーーーここは、こっちの方程式を使った方がいいよ』
教えてくれ、と頼めば嫌な顔をせずに勉強を教えてくれる。
別に、俺のように大して仲良くも無い相手にも。
変わったヤツだ。
ここの学園にいる奴の中でAのような奴は一度も見た事が無い。
横から見るAの顔は、案外まつ毛が長いんだな、とか肌が白いとか、変なことを考えてしまう。
すると、視線に気づいたのか、Aの目とパチリと合う。
『……聞いてた?』
「っ、悪い。もう一度説明してくれ」
『ちゃんと聞いてよね』
困ったように眉を下げはにかむ姿は、場に似合わず可愛い、と思ってしまった。
……いや、男相手に何思ってんだ俺。
途端に正気に戻る。この変な思いが消えるように、勉強に集中しなくては。片手で頭を殴り、目を覚ます。
しかし、その想いが確信へと変化するのは直ぐだった。
エペルの寮への話を聞く。
俺からしたら、そうか。の一言で終わりそうな話なのに、何故かAは小刻みに震えながら、笑う。
『ご、ごめん。ふ、面白くて、ははっ』
心臓が射抜かれたかのような感覚。
ただ、笑っているだけだと言うのに目が離せない。普段とは違う表情に惹き付けられてしまう。
ドク、ドク、と心臓の鼓動が煩わしい。
Aの涙がこぼれる。まるで、宝石のように、儚く美しく。
その瞬間に、自分はどうしようもない恋に堕ちてしまったと気づいたのだ。
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どぽぽ2(プロフ) - びっぐとまとさん» 喜んでいただいて本当に本当に嬉しいです(T ^ T)ツイステ沼深くてついつい書いちゃいますがそのようなお言葉を頂けて尚更執筆意欲が上がります(´`*)今後ともよろしくお願いします! (2020年8月21日 3時) (レス) id: 7f61df18d8 (このIDを非表示/違反報告)
びっぐとまと(プロフ) - ああ〜〜!!!どぽぽさんの男主は本当に外れなくて好きです!!!ツイステ書きはじめた時しんどすぎて叫びました…好きです… (2020年8月20日 23時) (レス) id: 5f452c992d (このIDを非表示/違反報告)
どぽぽ2(プロフ) - 羅ヰ太郎さん» 自分でも男主くんのキャラを結構好んでいたので嬉しいです(*^^*)私もそんな読者様が大好き((殴こちらこそ、これからもよろしくお願いします!! (2020年8月8日 22時) (レス) id: 7f61df18d8 (このIDを非表示/違反報告)
羅ヰ太郎(プロフ) - うわぁどっちゃくそ好きです!男主くんいいキャラしとりますやん!大好き()、めっちゃ応援してます!頑張って下さい! (2020年8月8日 22時) (レス) id: ca5d2ee34d (このIDを非表示/違反報告)
どぽぽ2(プロフ) - マチさん» 初コメありがとうございます(*^^*)めっっっっっちゃ嬉しいです!!これからもよろしくお願いします(´`*) (2020年7月31日 5時) (レス) id: 7f61df18d8 (このIDを非表示/違反報告)
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