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朔間くんは、俺が勝手に外国に行ったことには特に怒らず、「帰ってきてくれて嬉しい」とよく笑っている。
絶対、怒ると思っていたのに意外だ。
「これからレッスンなら、A先輩も見ていくか?生まれ変わったUNDEADを」
『あ、そういえば解散したんだよね。見たいな、大神くんの歌』
「デッドマンズも我輩から見たら良き思い出だったと思うぞい」
デッドマンズの生まれ変わったUNDEAD。
しかも、どうやらそのUNDEADのメンバーは今俺の周りにいる四人らしい。
確かに、背徳的という感じもする。
「そういえば、Aくんって留年したんだね」
『留学していたので。まあ、朔間くんも留年していたとは……』
羽風くんも同級生だった。
彼が、UNDEADとして朔間くんとステージに立つとは、なんだか意外。
女の子にしか興味が無いのかと。
「しいて、Aくんや。お主はどこのユニットに入る予定かえ?」
『ああ、もうユニットには入りませんよ。卒業したら外国にまた戻るので、とりあえず学院卒業出来たらいいなって感じ』
そう言うと、朔間くんは少し悲しむ表情をした。
どうやら、俺を入れてUNDEADを作りたいみたいだけど、それじゃあ蓮巳くんがただ脱退したみたいで生まれ変わってもいない。
「そうかよ……。また、デッドマンズもメンバー集まったし、もう一度出来たらいいな」
『……うーん…どうかな。今と昔じゃもう変わったし、今更無理に集まらなくていいと俺は思いますよ。じゃあ、そろそろ明星くん達が待っているので、また』
そう言って、クラスに戻った。
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「まさか、戻ってくると思わねえよ」
「そうじゃのう。相変わらず、愛嬌のある笑顔と話し方じゃった」
少しの間、彼との思い出を思い出す。
この学院のほとんどの人は、変わった。
けれど、Aは昔と何一つ変わらなかった。
話し方、笑顔、そして深く人と干渉しない所も。
「『無理に集まらなくていい』ってか。ンなの要するに『もうデッドマンズはなかったことにしろ』って言われてるみてーじゃねえか」
ファンは、未だにデッドマンズを見に来るためにUNDEADのライブに来るが、居ないと分かった途端出ていくファンもいる。
しかし、Aはそんなことも知らない。
それが大神は腹正しかった。
「どうやったら、彼がまたこちらに振り向いてくれるのじゃろうか……」
吸血鬼の声は、勿論彼には届かない。
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どぽぽ2(プロフ) - 那生さん» ありがとうございます!!他の作品も応援して下さりありがとうございます^^*これからもよろしくお願いします!! (2020年1月6日 11時) (レス) id: 7f61df18d8 (このIDを非表示/違反報告)
那生 - 完結おめでとうございます!!!すごい面白いかったでござる!!!他の作品も頑張ってください!!応援しているでござる!!! (2020年1月6日 9時) (レス) id: 64fc749647 (このIDを非表示/違反報告)
どぽぽ2(プロフ) - 名無しさん» アリガトウゴザイマス。 (2019年9月5日 21時) (レス) id: 7f61df18d8 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - カンケツオメデトウゴザイマス。 (2019年9月5日 21時) (レス) id: 4e31eec717 (このIDを非表示/違反報告)
どぽぽ2(プロフ) - 四面楚歌さん» 面白いと言って貰える作品を作ることができて、嬉しいです!今まで読んでくださりありがとうございました!!! (2019年9月2日 16時) (レス) id: 7f61df18d8 (このIDを非表示/違反報告)
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