289話 リーダー ページ19
智side
智「えー、皆さん
本日は本当にどうもありがとうございました。
いや〜もう…
ここへヘリコプターで飛んで来た時からもう…
感動してましたけど
もうその感動も通り越して もう訳わかんないっす(笑)」
なんだか恥ずかしくなって、少しふざける。
やっぱりリーダーらしくない(笑)
それでも俺はしっかり伝えたくて、
智「でも本当に、ハワイに着いて、昨日とか…
夜ひとりでベランダに出て浸っていました。
本当、１５年前のあの時の僕をあんまり覚えていませんが…(笑)
その中でも色々、少しでも記憶に残っていることを思い出して
まぁ当時の、その時の…
まだわけわかんなかったけど
もやもやした気持ちとか思い出しました。
でも…」
デビュー当時の不安や焦り、憤り。
これからどうなっていくんだろう…
そんなことばかり考えていた。
じゃんけんで決まったリーダー。
リーダーだから、みんなよりたくさん怒られた。
怒られるのは平気。
慣れてるから。
でも、やっぱりグループを引っ張っていくのがリーダーだから。
こんなんでいいのか、ずっと不安はあった。
それは今でも…
そしてみんなで頑張ると決めて、たくさん努力して
でもなかなか売れなくて
個人の仕事が増えていく中でも、戻ってくるのは『嵐』という場所で。
自分でも気づかないうちに、勝手に涙が溢れていた。
やばい…
こういう時くらい、ちゃんと喋らないと…
伝えないと…
泣いてる場合じゃ…
” がんばれー！ ”
” リーダー！！ ”
ファンのみんなの声が聞こえる。
その声援に、何度助けられたか…
もう感謝しかない。
俺の事リーダーと認めてくれて…
この俺を、嵐にいさせてくれて…
一粒一粒、ゆっくり流れる涙。
声が裏返りながら、掠れながら、
俺は必死に伝えた。
智「15年経って、今は、
もやもやの気持ちだったり、
葛藤は今、正直ありません。
それも本当にメンバーのみんなだったり
スタッフさんだったり
マネージャーだったり
そして、何よりも…
15年支えてくれた皆さんのおかげだと思っています。
これからも、
16年目からも、
共に共に人生歩んで行きましょう。
ありがとうございました。」
会場からの温かい拍手が…
いつも俺の頑張れる源だった。
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作者名：haru | 作成日時：2019年7月29日 17時
