20年の軌跡 10 ～信頼～ (ページ16)

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286話信頼ページ16

和也side

いける。

大丈夫。

自分にそう言い聞かせた。

たくさんの人に迷惑をかけてしまうけど、今はこのコンサートを成功させたい、

ただそれだけだった…。

でも次の登場はジャンプアップ…。

歩くのもやっとなのに、そんなに腰に負担がかかることをしたら…

不安。

焦り。

どうしよう…。

その時、潤くんが俺の元へやってきた。

潤「ニノジャンプアップやめる？」

潤くんの優しさだった。

でも俺は、潤くんが一生懸命考えてくれた演出だから、簡単にはやめるなんて言えなくて…

和也「大丈夫大丈夫」

そう言った。

潤くんは『いける？スライドでもいいよ？』とスライドアップの提案をしてくれる。

本当はスライドがいい…。

でもせっかくのコンサート。

俺だけの理由でクオリティーを下げたら…

智「スライドにしよう。」

リーダーだった…。

和也「…いい？」

俺が一言、そう呟くとすぐに潤くんが

潤「おっけ。

スライドアップ！」

スタッフさんに指示を出した。

スタッフさんもすぐに対応してくれて、次の登場はジャンプアップからスライドアップに変更。

潤「キューは俺たちで出す！」

他のメンバーも頷いてくれた。

何故か、リーダーの前だとつい甘えてしまう。

わがままを言ってしまう。

でもみんな俺のわがままを、嫌な顔一つせずに受け入れてくれる。

本当に感謝しかない…。

やっぱり俺が信頼できるのはこの人たちだけだ…。