芥川 ページ13
「A、彼が芥川君だよ」
目の前にいる少年は、かなりの美形だった。
長く黒い外套を着ていて、前髪が短いところがアンバランスで可愛いなーと思ったが、
目が怖かった。
「霜月 Aと云います。太宰さんの補佐として君の教育を任されました。
因みに12歳です。よろしくお願いします」
年齢を聞いて吃驚していたがいつものことだ、気にも留めない。
私は取り敢えず太宰さんが施す訓練を見ていた。
其れは、暴力的で思わず此方が目を瞑ってしまうようなものもあった。
ほんの数年前の私と被る。
勿論当時私が受けていた断食や色仕掛けのやり方などの類は無かったが、
芥川は訓練が終わる頃にはボロボロで、意識は辛うじてある、という状況だった。
助け起こそうと駆け寄る私に対し、太宰さんは見たこともないような怖い顔で
置いていけと言った。
別にその言葉を無視しても良かった。
何故なら私も一応幹部で同じ立場だったから。
でもそうしなかったのは、彼の言葉に私の人生なんて紙吹雪のように軽い。
そう思わせるほどの暗さと重さがあったからだ。
私は唇を噛み締め一旦そこから去った。
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作者名:消月 | 作成日時:2017年11月30日 19時