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茶漬け ページ12

「お邪魔しまーす」



彼の声にどうぞ、と返事をして部屋にあげる。



お腹が空いたと騒ぐ彼。



何かあったかなぁと鍋の中を覗くと今日の昼の食べた白菜と豚肉のミルフィーユの残りがあった。



それと白米。



それなら……



「A特製お茶漬けを作ってあげましょう!」



と、言う。



先ずは白米を茶碗についで、鍋の中にある白菜と豚肉のミルフィーユのスープを具付きで



あっためてから掛ける。



「出来上がり!どーぞ」



「えぇー。此れ、本当に美味しいの?」



「うん!」



貧乏人っぽいけど豚肉の旨味と白菜の爽やかさが出たスープが



白米に染み込んでとっても美味しい。



特に食欲のない時に持って来いだ。



恐る恐るという感じで口に含む姿を見て、さすが色男だなと思った。



箸の持ち方ひとつ取っても綺麗で色気がある。



其の唇に吸い込まれるように入って行く白米は艶々と輝いて、



成る程、女が惚れるわけだと思った。



ぱくりと食べると、彼は子供のように瞳を輝かせて美味しいと言った。



太宰さんとテーブルを挟んで向かいに座って食べる私も、いつもより美味しいなと思った。



部屋を出て行く時、



「A!また作ってよ!!」



という太宰さんに



「今度は一緒に作りましょう」



というと少しめんどくさそうな顔をしつつも、すぐ笑顔になって、頷いた。



少し、可愛いなと思った。

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作者名:消月 | 作成日時:2017年11月30日 19時

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