プロローグ ページ1
あれはいまから8年前の事。
私はポートマフィアに入った。
小学校4年生の時だった。
その日、私は先生に呼び止められてみんなより下校が1時間ほど遅くなって。
慌てて帰路を駆ける私の腕を何者かがグイッと掴んで路地裏へ引っ張って行ったんだ。
暗闇の中でバチっと火花が飛んで、嗚呼、これがスタンガンなのかと思う暇もなく私は倒れた。
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身体が動かせない重苦しさで目を開け、
視線をつッと横に向けると腕が黒い金属で固定されていた。
硬く、重厚なそれを見て悲鳴をあげるのも億劫になった私は開きかけた口を閉じる。
その時、コツコツと足音がして階段の上から黒い帽子をかぶった男の人が降りて来た。
その人は私を見て、
「手前がAか。……10歳にしちゃあ大人びてるな」
と言った。
彼は私に名乗った。
[中原 中也]、[ポートマフィア]だと。
「ポート……マフィア……」
同級生から聞いたことがある。所詮噂だろうと聞き流していた話だったが、本当なのか。
そんな組織が私を拉致するならば、理由はひとつ。
「……私に、入れと……?」
中原さんは頷く。
私の異能力は確かに強い。
それに、2つも異能力を持っているのは殊更珍しいだろう。
私は迷う。
断れば殺されるだろうし、
この身動きの取れない状況で、拉致されてから大分時間も経っているなら異能力も使えない。
だからといってマフィアに入るのは……。
でもなぁ……。
「……良いですよ。入ります。でも、勉強はさせて下さい。
大人になっても小学生の学力しかないなんて、笑えませんから」
「嗚呼、分かった」
二つ返事での契約。
これが私がマフィアになった時のこと。
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作者名:消月 | 作成日時:2017年11月30日 19時