３４．仲間割れ ページ36
花桐SIDE
あの事件があってから、私たちは平和な日々を過ごしていた。いつの間にか９月が過ぎていたことに私はびっくり。
既に１０月。今日は東卍の集会、どうやら参番隊隊長任命式を行うみたい。一体誰が任命されるのか全然想像つかないわ。
ド「これより、東京卍會参番隊隊長任命式をはじめる！！」
みんなざわついてるわね…。本当に誰も聞かされてないのか…。
マ「参番隊隊長！！前に出ろ」
左の方でどよめきが起こった。あそこにいるのね…、新しい隊長が。どんな人なのか…私も見極めてみないと。
新隊長と思われる人は、段を上りマイキーに背を向けて座った。…これは怒られるわぁ。
不「よく聞けテメェら！！俺の後ろに座ってる方が！！新・参番隊隊長、稀咲鉄太だ」
マイキーの話が始まった。今度東卍は芭流覇羅とぶつかるらしい、その抗争に勝つためにこの人は必要なんだって。…私たちだけでは戦力がまだ足りないということね。
東卍の集会の内容はこれだけだった。だから、私たちも帰ろうとしたんだけど…。
新たな事件が起こった。
「…！武道！？」
参番隊隊長を…殴った…。あの子に…恨みでもあるの…？
ド「東卍でもねぇテメーが何やってんだ！？タケミッチ！！！！任命式潰す気か！？」
私の足は勝手に動いていた。別に殴ったことに対して怒りたいわけじゃないけど、ちょっとね。
「武道。その子に何の恨みがあるのか私たちは知らないけど、T.P.O.はわきまえよっか。言いたいことがあるのなら手を出す前に口で…、ね？」
武「…違うんすよ…、Aさん…。コイツは…」
「言い訳は後で聞くわ。今、手を出すべきではない。私が言いたいのはこれだけよ」
私は稀咲君の殴られた衝撃で切れた口をハンカチで拭いた。
「大丈夫？この子もちょっと気が動転していたみたい、ごめんなさいね」
？「なんだ？なんだ？オモシレェ事になってんじゃん！」
…後ろから声が聞こえたから振り返ると、そこには壱番隊隊長の場地圭介がいた。確か…ちょっと前に内輪揉めしちゃって謹慎になってたはずよね。忘れてたけど。何しに…、
「…！やめなさい！」
葵「Aちゃん！！」
急いで武道を守った。なんで武道を殴ろうとしたの？場地君…。
「うッ…！！」
思い切りこめかみを殴られた…。脳が揺さぶられて真っ直ぐ立てない。
場地君は手加減せずに私を殴り続けた。三ツ谷君が止めてくれなかったら多分意識失ってたわ。
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作者名：suffron* | 作成日時：2022年9月19日 20時
