授業 ページ25
絡繰SIDE
奇妙な気配に疑問を抱きながらも俺は高専に戻った。五条の呪力を辿っていったら悠仁が真剣に映画を見ていた。俺の気配にも気づいてないらしい。…それに、手で押さえているもの…、あー!俺が夜蛾学長に借りていたボクシング熊ぬいぐるみ!
「こんばんは〜、そのぬいぐるみ結構凶暴だけど大丈夫かーい?」
「お、絡繰先生!」
呪力を一定に保てている…、呪力を扱えるようになってから時はそこまで経っていないはずなのに、呑み込みの早い生徒だ。何か所か殴られた痕もあるけど、特に心配はいらなそう。
「どーう?五条、適当にやってない?」
「全然!五条先生優しいし、強いし!」
「そっか、良かったなぁ」
「絡繰先生はなんでここに?」
「ん〜、なんとなく?君が気になってね、体も…心も。悠仁は恵と野薔薇に会いたいか?」
いくら生き残れたからって仲間を取り残してしまったような感覚といつまた死んでしまうかわからない恐怖、16歳には…重すぎるからさ。
「そりゃあ会いたいけど…、ちゃんと強くなってから会いに行くって決めてんだ」
「強いね、悠仁は。…尊敬するよ」
「俺も先生の強さ尊敬してる!」
「性格は悪いけどね」
「悪いというか…、自分に与えられた仕事しかしないって感じがする」
…当たってるな。俺は確かに、自分の仕事しかしない。でも、その分与えられたものはしっかりとこなす。それが俺。たまに気まぐれで一年と二年の面倒も見てるけど。だから、今回の一年にこんなに肩入れしてんのは珍しいと思う。自分で言うのもあれだけどな。
「ははっ、違いない」
「絡繰先生って、何考えてんのか分かんねぇ。いつも何考えて過ごしてんの?」
「何を考えて…?…特に何も、かな」
「えぇ〜?」
別に…俺は真面目でもないし、いつもいつも色々なことを考えている訳じゃない。何を考えているのかわからないのは俺が笑っているからかな。
…俺は仮面を被っているから。
ポーカーフェイスってやつだね、いわゆる。よくあるでしょ、ババ抜きをするときジョーカーを取られないように何を引かれても同じ顔をすること。
あれってさ、いちいち反対の表情をするよりずっと笑っていた方が相手を惑わせることが出来るんだよ。だから、俺もずっと笑ってる…ようにしてる。たまに笑顔を忘れるけど。それに俺って片目隠しているから笑っていないと怖がられるんだよね。よく目が笑ってないって言われるけど。
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suffron*(プロフ) - 紫さん» わぁ〜!ありがとうございます! (2022年4月30日 0時) (レス) id: 8634fbdb13 (このIDを非表示/違反報告)
紫 - 好きです!更新頑張ってください (2022年4月29日 23時) (レス) @page4 id: 45b1199f21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:suffron* | 作成日時:2022年4月29日 15時