〃 ページ21
絡繰SIDE
どれぐらい経っただろう、宿儺が疲れてきている。心臓部分の血も乾いて傷口が塞がってきた、やるなら…今だな。心臓を戻した後で完全に治させる。そして眠らせる。
「そろそろ諦めたらぁ？俺にはこのままじゃな敵わないって、心臓を治さないと勝てないってさ」
「…ッ…、…はっ…ふはははは！」
何が…おかしい？まだ勝算があるのか？こんなに痛めつけられて。
「いいか、俺は完全に受肉している訳じゃない」
…マジかよ、今入れ替わってしまったら悠仁は死ぬ。この心臓も…死んだ後は流石に機能できない。どこまでも…俺にとっては不便な体だなぁ。
「…じゃあ、代われよ」
「いいだろう」
顔の模様が消えていく。…後は家入に任せるしかないか。…俺に、失った臓物を元通りにさせる術式はない。治る可能性なら家入だけが持っている、でも…治らないだろうなぁ。なら…宿儺の心変わりを待つしかない。
「先生…伏黒…」
「…丁度起きちゃったか。あまり強い術式かけなかったからね」
「……俺はオマエを助けた理由に論理的な思考を持ち合わせていない。危険だとしてもオマエの様な善人が死ぬのを見たくなかった」
恵らしいな、助けるべき人間を自分なりに決めている。善人と悪人の区別がしっかりしているから死人に情を入れたりなんて馬鹿なことはしない。…でも、死んで欲しくない人間が死んだら…どうなるんだろうな。
「俺は、
あぁ、悠仁が死ななかったのは…恵のおかげだったのか。俺最後まであの場にいなかったからな。
「…そっか、伏黒は頭がいいからな。俺より色々考えてんだろ。オマエの真実は正しいと思う、でも俺が間違っているとも思わん」
…もう限界か。
「あー悪い、そろそろだわ。伏黒も釘崎も、五条先生と絡繰先生は…心配いらねぇか」
“長生きしろよ”
悠仁は恵に呪いを残して死んだ。俺は悠仁の遺体を持って、伊地知の車に乗り込んだ。伊地知は悠仁の遺体を見て目をこれでもかというくらい開いた。…まぁ、戦うなって言っていたものな。死んだらそりゃびっくりするよ。恵は前の席に座ってずっと俯いている。…ここには俺らしかいないから泣けばいいのに。
…仲間が死んで辛くない人なんていないんだから。
「それじゃあ、俺はここで。遺体は家入に解剖させる」
「…そう、ですか」
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suffron*(プロフ) - 紫さん» わぁ〜！ありがとうございます！ (2022年4月30日 0時) (
レス) id: 8634fbdb13 (このIDを非表示/違反報告)
紫 - 好きです！更新頑張ってください (2022年4月29日 23時) (レス) @page4 id: 45b1199f21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：suffron* | 作成日時：2022年4月29日 15時
