30 束の間の休暇 5 ページ30
さり気なく松田の横に並ぶ。
「ありがと、松田」
「何のことだ？」
松田が素っ気なく答えた。だけど、癖のある髪から覗く耳がほんのりと赤くなっている。
・・・ツンデレ、頂きました。松田みたいなちょっと猫っぽい男子のツンデレとか最高かよ。これが数年後にはあんなクールキャラになると思うと末恐ろしい。
「ふふっ」
この松田が数年後にはサングラス付けたクールキャラになると思うと、なんか笑える。
「何笑ってるんだよ・・・」
「なんでもなーい」
松田がムスッとして早歩きになる。
だが、残念ながら私の脚は身長に比例して長いのだ。
早歩きの松田の横に普通に並べれる。
「普通女ってちょこまか歩くもんじゃないのか？」
「あれ？私の脚の長さに嫉妬した？」
「美脚だしねー」
萩原が茶々を入れてくる。
「煩いッ！」
松田が噛み付いた。
「みんな〜！私と諸伏君でチェロス買いに行ってくるね」
「プレーンとチョコ半々で買ってくるね」
ミーナとヒロ君の、のんびりとした声が聞こえた。
チェロスかー、最近食べてないし美味しそう。
「キャッーーーーーーーーー！！！！」
「引ったくりよ！！」
「えっ？！」
周囲の人が一斉に声がした方向に振り向く。
視線の先には声の主と思われる二人の女性と、
ーーーーーーーキャップを深く被った男。
白色の明らかに女物のカバンを持って逃走している。
そして、進行方向はこちらだ。
「逃すか！！」
全速力で引ったくりに向かって走る。すると、横に金色がちらりと見えた。降谷だ。私よりも離れた所にいたのに、流石の瞬発力だな。
「お兄さん、ちょっと失礼！」
引ったくりの前に立ち塞がって大きく踏み込む。引ったくりの男の顔はキャップで見えにくいけど、明らかに怯んだ。
踏み込んだ勢いで片脚を振り上げて回し蹴りを喰らわせようと、した。
「おいッ、馬鹿！！」
突然、降谷が焦った様な声を出した。
ん？どうした？
ーーーーーーーーやば、今日私いつもと違ってミニスカじゃん？！
急いで脚の起動を変えたが勢いが殺せない。
私の脚は・・・かなりの勢いで引ったくりの股にクリーンヒットした。
「￥％○＄→＆#ーーーーーーッ！！」
引ったくりの男は声になっていない様な奇声を上げた。
そして、横から躍り出てきた降谷の背負い投げを喰らって地面に伸びた。
「みんな〜、チェロス買ってきたよ！」
チェロスを両手に持ったミーナとヒロ君が妙に間抜けて見えた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1091人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひなこ - 39.40話で半生かな覚悟とありますが、生半可な、では無いですか？ (2020年5月8日 9時) (
レス) id: 3ecbb3d6aa (このIDを非表示/違反報告)
彗(プロフ) - めっちゃ面白いです！！！更新待ってます！！ (2020年4月28日 17時) (レス) id: f44faecfaf (このIDを非表示/違反報告)
イアデビル(プロフ) - めっちゃ面白いです！更新待ってます頑張ってください！ (2020年4月27日 12時) (レス) id: ef5404f845 (このIDを非表示/違反報告)
天華(プロフ) - 長らく更新停止をしていてすいません。本日更新したので楽しんで頂けると嬉しいです！ (2020年3月22日 18時) (レス) id: fe6169574c (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - とっても面白いです！ゆっくりでいいので更新楽しみに待ってます(^-^) (2020年3月21日 4時) (レス) id: 51e87b9769 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：天華 | 作成日時：2019年8月19日 22時
