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ーーーーー道場
「隙ありッ！！」
「甘い！」
技を仕掛けたはずが、ふわっとした浮遊感の後、視界が回った。
「痛い痛いっ！ちょっとタンマ！」
固め技を綺麗に決められて関節が全然動かない。
「そろそろ休憩挟むか」
降谷はそう言うと、力を緩めた。さっきみたいに痛くは無いけど、身動きは取れない。
「降谷ー、退いて・・・」
頭を持ち上げると、降谷の柔道着が視界を覆った。
ーーーーーーあ、ほつれてる。
袖口がほつれていて、更によく擦れる所は擦れて薄くなっている。何度も洗ったのか、生地がくったりとしている。
よっぽど使い込まないとこうはならない。
「ふふっ」
「何だ、急に笑い出して」
降谷は不審げな顔をしているけど、つい笑ってしまう。
「降谷は凄いね」
降谷が目を見開いた。まだ技を決められたままだから必然的に普段よりも近くにあるブルーの瞳をじっと見つめる。
「私ね、今まで降谷は何でもできる超人みたいだなって思ってたんだけど、違ったんだね」
「・・・」
降谷は何も言わずにこちらを見つめてくる。なんだか試されている様な気分だ。
「��何でもできる優秀な降谷君��は��降谷��が凄く凄く頑張った結果でしょ？
きっと血が滲む様な努力をしないとそうはなれないから、私は降谷を凄いと思う。
何でも出来ちゃう完璧超人じゃなくて、頑張り屋の降谷をちょっと尊敬した」
前世で読んだ漫画の中での��降谷零��は超がつくほど優秀な公安警察で、欠点なんてあるの？という様な完璧超人だと思っていた。
ーーーーーだけど、違った。今私の目の前にいる��降谷��は凄く努力家で、全然完璧超人なんかじゃ無い。
ああ、今私の目の前にいるのは、��名探偵コナンのメインキャラクターの降谷零��じゃなくて、��私の同期で、多分ライバル？の降谷��なんだ。
多分私は今始めて��メインキャラ��っていうフィルターを通さないで降谷を見た。
��モブでいるために、メインキャラを避けよう��
そういって降谷達との間に何となく引いていた境界線を、��私の同期で、多分ライバル？の降谷��は易々と越えてくる。
「・・・何で、そう思ったんだ？」
降谷が絞り出した様な掠れた声で尋ねてくる。
「だって、めちゃくちゃ練習しないと、柔道着ってこんなにボロボロにならないよ」
少し間があってから、降谷は「そうか」とだけ呟いた。
その時の降谷は、今まで見たことのない様な柔らかい表情をしていた。
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ひなこ - 39.40話で半生かな覚悟とありますが、生半可な、では無いですか？ (2020年5月8日 9時) (
レス) id: 3ecbb3d6aa (このIDを非表示/違反報告)
彗(プロフ) - めっちゃ面白いです！！！更新待ってます！！ (2020年4月28日 17時) (レス) id: f44faecfaf (このIDを非表示/違反報告)
イアデビル(プロフ) - めっちゃ面白いです！更新待ってます頑張ってください！ (2020年4月27日 12時) (レス) id: ef5404f845 (このIDを非表示/違反報告)
天華(プロフ) - 長らく更新停止をしていてすいません。本日更新したので楽しんで頂けると嬉しいです！ (2020年3月22日 18時) (レス) id: fe6169574c (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - とっても面白いです！ゆっくりでいいので更新楽しみに待ってます(^-^) (2020年3月21日 4時) (レス) id: 51e87b9769 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天華 | 作成日時：2019年8月19日 22時
