貴方しか愛せないから。【ガラテア】 (ページ18)

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いつも通り病院へ行くと、見慣れない人達が慌しく走っていた。

エレベーターは何故か使用禁止となっており、仕方なく階段で彼女の部屋へと向かう。

…昨日の昼間はとても楽しかった。

出会った頃の彼女とは違い、心の底からの笑顔を僕に向けてくれた。

いつからか、僕は彼女の笑みに惹かれていたのだ。

彼女の為に来ていると言っても過言ではないほど。

『？？』

見慣れた部屋の前に立ち入り禁止と書かれたテープ。

いつはシンと静かな廊下が騒がしく、只事ではないのだとわかった。

薬が入ったケースを投げ捨て、彼女の元へと向かう。

『そこを退け、何があったんだ』

人混みが邪魔で苛立っていたため、口調が荒くなってしまった。

「ダメです、関係者以外_」

『僕は薬剤師だぞ！この部屋の担当…ぁ、ガラテア！！彼女は……ｯ！？』

彼女はどこだと部屋を覗いた時に見たのは、とても白い_人。

『ﾊｯ…ガラ、テア？』

おい！と腕を掴まれるが振りほどき、テープを引きちぎる。

この白い"人"はどうやらガラテアではなかったみたいだ。

彼女の元によく居た医師だ。

『…一体、何が？』

「ここの病室の患者が行方不明の様で…」

『は__？』

朝食を持ってきた他の看護師が来た頃には、もう既に彼女の姿は無かったみたいだ。

車椅子もない。部屋の中はとても荒れている。

『あの子は__車椅子でも安定して動くことは出来ないんだぞ！！』

「落ち着いてください…！」

胸倉を掴みあげ、ただただ叫ぶ。

あの子はとてもか弱くて、繊細で__すぐに朽ちてしまいそうな身体なのに。

「不安定な様子なら、そう遠くへは行っていないはずだ」

『探さないと…』

「ここは我々に任せて、貴方からも彼女について話を聞かせてもらいます」

下の部屋で話をしたが、次の日になっても、その次の日になっても彼女が見つかることはなかった。