31話 ページ31
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その日の放課後。
翔也先輩とお付き合いしてるんだな、という
自覚が芽生えつつあってそわそわしてしまう。
終始サナコには「可愛いとこあるじゃない」と
ニヤニヤされっぱなしだった。
翔也先輩、今日一緒に帰れるかな。
成宮「A!なぁAよ!」
「どうしたの」
練習が終わり、
ユニフォームを洗濯しに行こうとしたとき
出口の前で徹くんに呼ばれた。
成宮「あのダンス部の先輩と付き合い始めたって?!」
「え?うん…」
成宮「そんな素振り見なかったからびっくりしたぜ!俺がキューピッドだな!」
「徹くんは何もしてないと思うけど」
成宮「なんでだよぉ!俺が委員会の仕事サボんなかったら出会わなかったかもしれないだろー!」
「サボりを肯定しないでください」
これは話が長くなると察して
会話を打ち切るように外に出るものの
彼は「いやでもさー!」と追いかけてくる。
そしてなんと体育館の外には
丁度水道を使いに来たらしい翔也先輩の姿が。
…徹くんといると翔也先輩に会いやすいジンクスでもあるの?
翔也先輩は顔を洗い、上を向いたところで目が合う。
「お疲れ様です」と声をかけても何も答えてくれない。
木全「……」
「翔也先輩?」
成宮「あ!キマタ先輩!こんちゃーっす!」
翔也先輩は「どうも…」と呟きながら顔を拭く。
お昼のふわふわモードはどこに行ったんだろ。
あ、何も食べてないからか。
翔也先輩と打って変わって変わらずテンションが高い徹くんは
いきなり私の背中をばしばし叩いてきた。
成宮「うちのAと付き合い始めたんすよね!」
「ちょっと」
木全「……」
成宮「やー俺もすげー嬉しくて!
なんかあったら言ってくださいね!まぁないと思うけど!」
「その親戚テンションなんなの…」
徹くんから距離を離そうとした、そのとき。
不意に肩を掴まれたかと思うと
そのまま誰かに引き寄せられる。
視界の端、見えるのは黒いTシャツで
それは翔也先輩が来ていたのと同じやつ。
木全「…Aちゃんは、君のじゃないよ」
喉に引っかかるような、決して高くはない声。
圧を感じる程ではないけど
不機嫌さが滲み出ているのがすぐにわかった。
「せんぱ…」
成宮「あ、いや、『
木全「え、」
成宮「でもその通りっすね!すんません!」
木全「あ、えと、すいません…」
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Shiu(プロフ) - ひなさん» ありがとうございますーーーっ!笑ってもらえて一人ガッツポーズしました(`・ω・´) (2021年9月21日 16時) (レス) id: 3e168f23de (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - でひゅwww可愛い笑笑めちゃくちゃ笑いました笑笑 (2021年9月21日 14時) (レス) id: 80336a687d (このIDを非表示/違反報告)
Shiu(プロフ) - HANANOさん» おわー?!嬉しすぎるお言葉をありがとうございます…ッッ!!浮かれて踊りだしてしまいそうです…(`・ω・´)応援ありがとうございます!これからも楽しんでもらえるよう更新頑張ります!! (2021年9月16日 12時) (レス) id: 3e168f23de (このIDを非表示/違反報告)
HANANO - 突然すみません!作者様が書く話し方も展開も大好きすぎて、1日に何回も更新されてないか確認しちゃうくらいとっても大好きな作品です(*゚ー゚)陰ながら応援しています!楽しみに更新待ってます(ノ∀`*) (2021年9月16日 10時) (レス) id: 8034088d70 (このIDを非表示/違反報告)
さーこ(プロフ) - ド過保護るきくんが好きです! (2021年8月27日 9時) (レス) id: 94d6a6a4fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Shiu | 作成日時:2021年8月23日 23時