気分屋さん日和。【木全翔也】

4話 ページ4

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「あれ？」



木全先輩に委員会の仕事を
手伝ってもらった次の日。


授業が終わって、職員室で用を済ませてから
いつも通り校門の方へ向かっている途中、

花壇に違和感を感じた。



……今日の仕事誰もやってない？






委員会の仕事は原則授業終了後に
日替わり当番で行われている。


今日は次のクラスがやるはずなのに、
道具どころか姿さえ見えない。






「ええぇ…」





どうしてこう、サボり癖のある人たちばかりなのか。


…みんな部活で忙しいのかもしれないけど。



しかし、文句を言っていても仕方ない。



見つけてしまった以上、
飼育委員てして仕事をしなくちゃ。






残り半分の土も綺麗にしないと、
明日のクラスが新しい種を撒けなくなってしまう。






倉庫の中にある花壇用の用具を取ろうとした。


けど、扉には鍵がかけられている。



飼育委員の倉庫は朝、
三年生の先輩が飼育小屋の掃除を
する時に開けてそのままにしてるはず…


………まさか、飼育小屋何もしてない?!




想像しただけでじっとしてることができず、

私は早足で鍵管理されている体育館通路に向かった。








鍵が管理されているのは体育教官室。


先生に確認してもらうと、
やっぱり今日は誰も鍵を取りに来ていなかったという。




大急ぎで受け取り

まずは飼育小屋に向かおうとした、


その時。






木全「咲間さん、なにしてんの？」





昨日ぶりの木全先輩が
体育館から顔を覗かせていた。


運動をしたあとなのか、
シャツで首筋の汗を拭っている。





「あ、お疲れ様ですっ！
飼育委員の倉庫が開いてなかったから取りに来ました」

木全「？ 咲間さんの当番昨日じゃなかったっけ」

「そうなんですけど、今日の当番の人やってないみたいで」

木全「あ、そうなんだ」






ふとその時、体育館の中から
「翔也ー！」と呼ぶ声がする。


木全先輩は一度そちらを確認して、
私の方を振り返った。





木全「呼ばれたから行くね、ごめん」

「いえ！部活頑張ってください」




先輩はひらひらと手を振ってくれた。


…ホイッスルもボールが弾む音もしないから
バスケ部じゃないのかな。




ちょっと気になった気もするけど、

そんなこと知らなくてもいいことで。







私は鍵を握りしめて
中庭にある飼育小屋に向かった。




中を確認すると、
餌入れの中には何も入っていない。









「もおぉ〜…!!」






今日の当番、動物愛護団体に訴えてやる。

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