気分屋さん日和。【木全翔也】

29話 ページ29

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「サナコ…お話があります…」

サナ「木全先輩とついに付き合った？」

「なんでわかる?!」







お昼休み。


親友のサナコに一番に報告したくて
授業中かなりそわそわしてしまっていた私。


やっと彼女の席に行っていざ報告しようと思ったら
まさかの見透かされていた。






サナ「いやアンタわかりやすすぎるのよ。
普段あんま感情表に出さないからこそ」

「DAIGOさんもびっくり…」

サナ「いやメンタリズムとか関係ないから」





「でも、よかったね」と微笑んでくれる。





サナ「私とお昼ご飯食べてていいの？
木全先輩と食べてきたら？」

「え？別にそんな約束してない…」

サナ「あれ、そうなんだ。
まぁいいや。詳しくお話聞かせてよ！」

「うん！えっと……」





しかし私が昨日の出来事を振り返ろうと思った矢先、

「A〜！サナコ〜！」と明るい声がした。



見ると最近しょっちゅう話をしてる徹くんが

購買のパンを腕に抱えてこちらの席に歩いて来ている。







サナ「なに？それ」

成宮「俺の昼飯！一緒に食べていい？」

「いつも誰かと食べてなかったっけ」

成宮「あーアイツ今日休みなんだよ」

サナ「他の男子と食べればいいじゃない。友達少なすぎ」

成宮「いや多いから！多すぎて選びきれないから！」

「あはは…」






なんとなく徹くんなりのアプローチだろうけど
クールビューティーサナコは不動を貫いてる。


この前好きになりそうって言ってたんたけどなぁ…。





サナ「…あれ。ねぇA」

「ん？」

サナ「木全先輩来てるわよ」

「えっ?!」





お弁当の卵焼きを咥えたままハッとして廊下の方を見ると

サナコの言うとおり翔也先輩の姿が。




人見知りなのかキョロキョロと辺りを見渡してて

私と目が合うと途端に顔を明るくさせる。




…可愛い。







「い、行ってきてもいい…？」

サナ「当たり前でしょ」







廊下に出ると「突然ごめんね」と
翔也先輩が駆け寄って来てくれた。


昨日の夜、ずっと翔也先輩のことを考えてしまってたから
顔を見るだけで心臓が騒がしい。



変な顔してないかな、私。









「どうしたんですか？」

木全「良ければ何ですが…お昼一緒に食べない？」

「よ、喜んで！」

木全「ほんと？」









よかった、と安心したように小さく笑う翔也先輩。









昨日から思うけど可愛いが過ぎると思うんだ。









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