鶴の照れ隠し。【鶴房汐恩】

《８》 ページ8

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男子「えーということで、
文化祭の出し物を決めたいと思います」



クラスの文化祭委員が教卓に仁王立ち。

もうやる気に満ち溢れていた。



男子「何か提案あるやつー！」


鶴房「マリオ○ート大会！」

「スマッシュ○ラザーズ大会！」

木全「ポケ○ン大会！」


男子「そこのバカトリオに発言権はありません！」




なんでだよーとブーイングを出せば
担任の先生に怒られて、クラスメイトたちには笑われた。


ちくしょう、私のカー○ィの実力
見せてやりたかったのに。





木全「Aどうせ一人でしょ？
俺が文化祭回ってあげる」

「素直に私と回りたいって言ったらどうなの？
あ、祥生も誘ったから」

木全「祥生と回ろっかなー」

「的確に私をハブろうとするな」

鶴房「……」

「汐恩は彼女と回るんでしょ？」

鶴房「そうやけどぉ。
翔也たちとも回りたかったわ」

「嫉妬すんなって」




肩に手を置いてわざとらしく励ましてやる。


すかさず下敷きの角で頭を叩かれた。


めちゃくちゃ痛い。




木全「まぁ来年も文化祭あるし」

「そうそう。青春してこいよ」

鶴房「あーなんかAが腹立つ」

「なんで？！」

木全「ダンス部の発表も楽しみだなぁー。
俺最前列でうちわ振ろうかな」

「え、かわいい。私の？」

木全「なんで？」

「マジで聞き返さないでよ…」






発言権を没収されたので
ひそひそと文化祭の予定を立てる。


この高校は文化祭が豪華らしく、
私服やメイクも許されるらしい。



まぁクラスの出し物に合わせて
衣装を揃えなくちゃいけないんだけどね。






男子「じゃぁ出し物は屋台ってことで…
衣装ステージには成宮さんと鶴房くんお願いします」




不意に名前を呼ばれたので
前の方を見る。


黒板には『出し物・屋台』の文字。

その隣には『ステージ・成宮/鶴房』の文字。




「異議あり！」

鶴房「異議あり！！」

男子「発言権の無い人たちは黙ってて下さーい」

「横暴！独占国家！」

鶴房「基本的人権の損害！」

男子「君ら他学年でも有名なんだから頼むよ。
ステージで衣装着てPRすれば終わりだから」




よく見れば名前の下に数字が書かれている。

すでに多数決も終わっていたらしい。



なんて手の早い……。



なんか面倒臭そうなこと任されたなぁ。








先生「ちゃんとPRできたら
ハーゲンダッツ買ってやるから言うこと聞きなさい」

鶴房「チョコレートで！」

「チョコチップで！」


木全「賄賂…」

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