鶴の照れ隠し。【鶴房汐恩】

《６》 ページ6

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反省会が終わり、部員がそれぞれ帰り支度を始める。


マネージャーの私はジャグ諸々を洗って
タオルを洗濯して干すとこまでが仕事。



ゆえにまだまだ帰れない。






大平「手伝おうか」

「祥生…っ！あんたって子は…！
なんてお母さんお」

大平「帰る」

「あーウソウソ！ごめんって！
助かります！！」

大平「そのだるい絡み無ければええのに」

「とかいってこのノリなかったら寂しいんでしょ」




無言でタオルで頭を叩かれた。


手加減を知っている。優しい。




祥生のお言葉に甘えて洗い物に行こうとすると
後ろから誰かが駆け寄ってくる足音が近づいてきた。





鶴房「どこ行くん？」

大平「洗い物」

鶴房「しゃぁないな〜俺も付いてったるわ」

「いやアンタ彼女待たせてるでしょ」

鶴房「は？……あ」

「え、忘れてたの？最低かよ」

鶴房「いや思い出したわ」

「忘れてたんじゃん」





あの可愛い女の子が不憫で仕方ない。

頼むからもっと誠実であってほしい。


お母さん悲しいわ。




気持ちはありがたいけど、と
汐恩を見送る。


どこかつまんなさそうに口を尖らせて
部室の方へ帰っていった。





大平「……」

「よし、じゃぁ祥生ジャグ洗いお願いしてもいい？
私洗濯機回してくるから」

大平「なんで二人って付き合わんの？」

「誰と誰？」

大平「汐恩とA」

「なんで私があいつと付き合わなきゃいけないの？」

大平「いや……もうええわ」




二人とも面倒くさい、と悪口を溢す祥生。


なぜそんなことを言われるのか
全くもって不本意である。




ジャグを託し、私はタオルの入った籠を持って
洗濯機のある体育館の方へ向かった。


すれ違いざまにサッカー部の男子の団体が
通り過ぎていく。



それを横目で通り過ぎながら、
思わず足を止めてしまった。




体育館の横の校門付近に
立ち尽くしたままこちらを見ている人がいる。



暗くてはっきりと見えないけど、
歩いてる私の方に視線が追いかけてくるのがわかった。







「え、こわ…」





もう真っ暗なのもあって尚更不気味。

制服を着ていたし同じ学校の人だろうけど。



……ん？あれって確か、…






考えすぎかもしれない。


だけど、これから少し気をつけよう。






本能が、そう言ってる。









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(私の書く小説ヤバイ男めっちゃ出てくる…By作者)

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