【JO1】愛 情 の 裏 返 し 【男主】

* turubo ページ9

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　全体のダンス練習が終わり
個々の仕上げに移り始めた頃。


　執拗に俺の後ろをついてくる奴がいた。




鶴房「練習しなさいよ」

　「…瑠姫くんとしょやくんがいじめてくる」

鶴房「お前が悪かったんじゃない？」

　「ひどい！」



　うじうじとしおらしくしているのが
イライラしたので冷たく突き放せば
ムキになって言い返してきた。


　なぜあの二人にいじめられたからって
俺のところに来るんだろうか。


　翔也ならまだしも瑠姫くんは兄貴みたいな人。



白岩「ほらA、練習しなくていいのー？」

木全「練習頑張ったらツーショ撮ってもいいよー？」




　噂をすれば例の二人がにやにやと
笑いながらAを囲い始めた。


　頭一つ分小さいので傍から見れば
ジャイアンとスネ夫に絡まれてるのび太くん。



　いや、スネ夫のほうが背が低かったな。




鶴房「二人ともなにしてんの」

　「俺がツーショ撮りたいって言ったら
二人でツーショ撮り始めて！
俺のこと仲間はずれにしたんすよ！！」

木全「いやいや入ればよかったじゃーん」

　「二人の高さに合わせるから
俺おでこしか映らない！」



　悪戯っぽくにやけてる瑠姫くんに
スマホを見せてもらうと、


そこにはAの言うとおり

瑠姫くんとおでこの写真、
翔也とおでこの写真。



　普段は前髪をおろしてるが
ダンス中はヘアバンであげてるので
おでこがあらわになって映ってるのが面白い。



　何枚か進むと瑠姫くんと翔也の写真ばかりになり、
時々隅の方で2人を睨むAも写っていた。



　「スリーショで撮れてるやん」といじれば
「撮れてるって言えない！」と噛み付いてくる。




鶴房「てかなんで急に自撮りしてんの？
なんかあったっけ？」


　「俺の兄ちゃんの誕生日がもうすぐで…。
何がほしいのって聞いたら『写真』っていうから…

俺…喜んでほしいだけなのに…みんなひどいよ…」




　さっきまであんなに威勢が良かったのに、
理由を話すうちにみるみる小さくなっていってしまう。

　さすがに可哀想に見えてきた。


　2人も少し反応に困っている。




鶴房「あー…。あれだ。
今は撮れないけどあとでツーショ撮ろ。な？」

　「…どうせおでこ」

鶴房「Aが撮っていいから」

　「…ほんとっすか？」

鶴房「うん」





　みるみるうちに明るくなるA。









　そのあとの自撮りでは


俺も翔也も瑠姫くんも

顎から上がトリミングされていた。





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